俳優の川島なお美さん、そして少し前には今井雅之さんが、がん闘病によりひどく痩せた姿で、でも気丈に再起を語る映像が目に焼き付いています。
彼らの俳優魂というか、意志の強さを感じてスゴイ!と思うのと同時に、なんというか…圧倒されました。
悲しいけど確かにがん末期になるとひどく痩せてしまいますよね。
大切なのはその仕組みを知っていかに対処するかです。これががんと上手く付き合う方法でもあります。
がんが恐い理由
がんは死のイメージがどうしてもつきまといます。
ガン細胞は勝手に血管を伸ばしてヒトから栄養を奪い、無限に増殖していくからです。しまいには栄養を奪い尽くしてしまいます。
最悪の場合、ヒトの命が尽きる時がガンの死となる訳なのです。
このようにガン細胞に栄養を奪われて行くことで、がん患者さんは手足が細くなり、頬がこけ、骨と皮のような姿になってしまいます。この外見の大きな変化もがんという病を恐ろしいものと感じさせる一因かもしれません。
このような状態のことをカヘキシア(がん悪液質)と言われます。
逆に、このカヘキシアを回避できれば命を維持できるということになります。
ではどうすればよいのか、ということで悪液質に至る理由として上げれらるこの二点の対策を書いてみます。
- がんによる炎症
- がんによる栄養奪取
1、がんによる炎症
ガン細胞は慢性炎症を引き起こします。(あるいは炎症が続くからがん化するとも言える)
炎症とは火事がおきているような状態です。そこには活性酸素が介在します。だから、活性酸素という火を消すことができる抗酸化物質は抗ガン作用が高いと言われるんですね。
○水素水
火を消すには水。そう考えると、最近人気の水素水が思い浮かびますね。水素水は活性酸素の中でも凶悪なヒドロキシラジカルを消去するという研究結果を順天堂大学の山口先生がお話されてました。(最近講演をお聞きする機会がありました^^)
とはいえ、水素はすぐに飛んでしまうので、本当に水素が含まれているかどうか、確認できているようなものを選ぶことが必要ですね。
○ビタミンC、E、A
多くの人に身近で手に入りやすい抗酸化物質の代表はビタミンCです。一日何度もとる必要があります。出来れば一日10g以上。質の悪いものだと胃がやられますので、高濃度、高品質のものを。
=過去記事===========
まるで副作用のない抗がん剤
― 高濃度ビタミンC療法
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ほかにもビタミンE,ビタミンAも高い抗酸化作用が注目されています。E、Aは脂溶性(油のビタミン)なので質を重視してください。
天然由来のものでないとかえって体に毒です。また体が消化吸収が難しい状態ならミセル化(油を吸収しやすい加工)したサプリメントを探して下さい。
○EPA
がんが発する炎症性サイトカインに抵抗し炎症を抑えるのに強力に働くのはEPAです。(亜麻仁油やシソ油、魚油に多く含まれます)
EPAを多く摂取する事でがん患者さんの食欲が増進し、体重減少が抑制されることが確認されています。
2、がんによる栄養奪取
ガン細胞は自分に都合の良い代謝経路を作ってしまいます。正常細胞より多くの糖を代謝し、筋肉のタンパク質から窒素をとります。
既に弱って来ているがん患者さんに三大療法の厳しい治療を行なうとカヘキシアへの移行を早めてしまいかねませんので注意が必要です。
また、甘いものや炭水化物が大好きな人はガン細胞にせっせと好物を与えてがんを大きくしてしまいます。
また、”健康的そうだから”とお肉や卵を控えると、がんに奪われるタンパクの補給が追いつかず、これもカヘキシアを早めます。(その理由で玄米菜食はお勧めしません)
そこで、対策としては、、、
低糖質(甘いもの、炭水化物を少なくする)
高タンパク
新鮮なお野菜たっぷり
良質の油をとる
といったことです。
地中海式料理がお勧めですょ。
どうしても食べられない時は
でも、食べる事もままならないほど衰弱する事もあります。(治療後など特に)
そんな時に点滴ばかり続けると腸に栄養が入って来ないことになり、腸管免疫の状態が悪化します。だから少しでも口から食べることが大切です。
かといって消化力も無くなっていますよね。そんな時はBCAAやアミノ酸だけでも摂りたいところ。
また、食べられない状態の時にも使える高タンパクな総合栄養食品みたいなサプリもありますので必要な方にはご紹介します。(液体なので飲みやすいです)
がんとは栄養の奪い合いになります。でも食べられる間は元気で普通に生活できるのが、がんという病気でもあるのです。
美味しいものを楽しくしっかり食べてカヘキシアに至らない体を維持していきたいですね。
*栄養やサプリの摂り方の工夫などご相談のある方はコチラ