がん患者さんでも、手術後特に薬は処方されないケースもよくあり、逆にそれを心配する人もいます。
何か薬を飲んでいるほうが体に良いようなイメージがあるのかもしれません。
ですが、不必要な薬を出されていないのは良いことです。
しかし高齢のがん患者さんとなると、がんとは関係ない薬がほとんどで、薬を10種類ほど飲んでいるというのも、割と普通です。
血圧の薬、コレステロール低下薬、便秘薬、睡眠導入剤あたりが定番。病気によっては、作用が重複しているものが平気で処方されています。降圧剤や安定剤が二種類とか。
しかも、薬を多く飲むほど調子が悪くなっているので、薬を減らす方法を相談されることがあります。それに気づくだけ立派です。副作用と気づかないまま、入院する人もいますから(←高齢入院患者の3〜6%は薬剤起因)
もちろん私は医者ではありませんから、医師が処方したものを勝手に”減らしていいですよ”なんて言えません。お薬の種類を私のわかる範囲説明して、ご本人の希望を医師や薬剤師に相談してもらうようにしています。
とはいえ、日本の医療制度の問題点の一つとして、不必要に多くの薬が処方されているのも事実です。いわゆる薬漬けというやつ。超高齢化社会において、薬の使いすぎは健康面でも財政面でも非常に大きな課題ですよね。
そこで、日本医師会、日本老年医学会は、6種類以上の薬剤は多剤処方と定義しています。
H29年9月には高齢者に対する処方ガイドラインとして「超高齢社会における かかりつけ医のための適正処方の手引き」が作成されています。興味深いので、高齢者との関わりの多い方は是非ご覧ください。
厚生労働省の平成29年度第二回高齢者医薬品適正使用検討会議事録←コレも面白かったのリンク貼っています。
85歳くらいの方の腎機能は20代の1/3程度になっている。その状態で若者と同じ量の薬を飲んでしまうと、必然的に副作用は起きやすいだろうと推測されるし、実際色々問題が発生しているという話です。
腎臓機能もそうですが、高齢者に薬の副作用が出やすいのは、栄養状態の問題も大いにあります。高齢になると栄養を運ぶトラック(アミノ酸)のアルブミンが少なくなるからです。(がん患者さんも低下しがち)それで、必要なところに運ばれず薬が効かないばかりか、解毒力も落ちているので副作用はしっかり出てしまうんです。
アルブミン値の低い方には薬の使い方は慎重にしていただきたいですし、高齢者の栄養状態のカバーは忘れずにやってほしいものです。(栄養バランスに関しては自己責任なので、お医者さん任せの考えはいけません)
薬を減らすための2つのヒント
1:強い薬
薬害とは本当に恐ろしいものです。ともすれば薬は毒になります。特に注意したいのは効果の強い薬です。
一番問題が多く発生しているのは向精神薬のようです。(安定剤や睡眠導入剤)あとは、抗血栓薬(バイアスピリン)やステロイドなど。。。
きちんと症状に合うものであれば、強めの薬を使って、素早くストレスとなる痛みや症状を取り除くのも良い方法ですが、それも、体が耐えられるならの話です。
それを続けるとなると別問題です。強い薬は副作用も強いのですから。
症状が治まっているなら医師にお話しして、薬を中止したり弱い薬に変えてもらいましょう。
注意点したい点として、「抗生物質」は、処方されたものは飲みきってください。途中でやめると、菌に耐性ができるかもしれません。抗生物質が効かない菌が出現すると恐ろしいことになります。
逆に言うと、菌の関係しない病気に抗生物質は効きません。風邪もインフルエンザも原因はウイルスですよね。ということは、風邪に抗生物質は効きません。
予防的に抗生物質を処方されることがありますが、腸内の善玉菌まで殺して免疫状態を悪化させるなんておかしな話です。菌の関係しない症状で抗生物質を使うことは控えたいものです。
2:薬の副作用を押さえるための薬
胃薬やビタミン剤、下剤のような、主要な薬の副作用を押さえるために処方されているものに関しては、薬品ではなく、サプリメントやハーブで補えるものが多くあります。
医薬品は合成ビタミンですから(科学薬品)肝臓が代謝するときに活性酸素を発生します。腎臓にも負担が大きくなります。可能な限り、天然のサプリメントを摂ることをお勧めします。天然のものでも負担がないわけではありませんから摂り過ぎには気をつけたいですが、吸収率が断然高いですし、体の負担も軽くなります。さらに言えば、先に必要なのは、食事バランスの見直し、消化吸収能力の改善です。
まとめると…
- 強い薬、効果の重複するものは医師に 相談して早めに切り上げる
- 副作用を補う薬や、合成ビタミン剤から自然な物に切り替える
薬は体内で活性酸素を発生させ、活性酸素はがんを作るきっかけになってしまいます。
極力薬に頼らない、という意識を持ちたいですね。自分にとって欠かせない薬だけに絞るために、薬の作用を調べて何か減らせるものがないか考えてみてくださいね。
判断に迷う時、ご希望の方にはお手伝いできます。