がん患者さんやそのご家族の多くはかなり食事に気をつけておられます。あなたも料理は極力手作りするように気がけている方ですか?

あまりストイックなことを勧めるつもりはありませんが、極力手作りする努力は大切です。

「自分の努力は間違いじゃなかった」と再確認できるような話を聞いたのでシェアしたいと思います。

 

それは、株式会社ヘルシーパスの清水さんがお話してくださった内容です。株式会社ヘルシーパスさんは、医療関係専用のサプリメントを製造している会社です。

栄養療法に使える、信頼できるサプリメントを供給するためにドクターや薬剤師、患者さんが株主となって設立したという稀な会社さんです。(ヘルシーパスの製品はドクターを通してしか購入できません)

この会社の社長さん(田村忠司氏)は、サプリメント製造の裏側を暴露した「サプリメントの正体」とか「これを食べればサプリはいらない」といった書籍を出版したことで有名です。

それだけに、サプリメントの前に食事を見直しましょうという考えをしっかりお持ちです。私も仕事柄サプリメントを案内しますが、サプリメントに頼りすぎて、食事をおろそかにするのは本末転倒だと強く感じています。

 

新型栄養失調の理由

そんな㈱ヘルシーパスの清水さんが、どんなお話しをされたか…ですね。結論から言うと、食事は手作りすることが大切だよっていう話。

そもそもサプリメントを販売する人がよく言うのは「昔に比べて食品中の栄養素が減っているから、サプリメントで補わなければいけない」という話です。

でも、清水さんが言うには、「食品中の栄養素が減っているか、というと必ずしもそうとは言い切れない部分もあり、どちらかというと”食事を作らない傾向”の方が昔と比べた時の大きな変化であり、結果的に新型栄養失調になっているのではないか」という事です。

 

〇 新型栄養失調とは 〇

生きるために必要なカロリーは足りているものの、特定の栄養素が不足している、あるいは特定の栄養素が過剰になってしまった状態を言います。

― ヘルスケア大学 ナチュラルアートクリニック 御川安仁先生監修

 

 

確かに、、、

最近リニューアルした大手スーパーに共通すること。それはお惣菜コーナーの拡充です。

私が子供の頃(うん十年前)、お惣菜コーナーのスペースはそう広くはなかったイメージですが、今やスーパーのお惣菜、お弁当コーナーはかなりの広さと充実度。

スーパーの1/5くらいはお惣菜と冷凍食品コーナーですよね。

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そして、老若男女が黙々とおかずを選んでいる姿が見られます。単身男性だけでなく、家族連れ、若い女性、年配の方、ママたちも。。。あまりの賑わいにちょっと驚きます。

働く独身者に至っては、三食コンビニという人も。週に何回もカップラーメンを食べているというツワモノに出会った事もあります。

それにお惣菜でなくても、ファミレスや大手チェーンレストランを利用する頻度も昔に比べるとグンと増えたのではないでしょうか。店舗数自体も増えましたし、何と言っても安いですから。

お弁当や外食でカロリーはちゃんとまかなえます。しかし、大きく不足してしまうのは何かというと・・・・

ビタミン・ミネラルです。

コンビニ食のミネラル量

(ヘルシーパスさんのパワポ)

ビタミン・ミネラルってそんなに必要ですか?

はい。

死ぬほど(笑)

究極のハナシですが、ビタミン・ミネラルのどれか一種類が枯渇してしまえば死に至る事もあります。栄養欠損を甘く見てはいけないんです。

近年、酵素ブームですが、酵素を働かせ、体を作ったり動かしたりするためにはビタミン・ミネラルが必須です。(補酵素として働く)

ガン細胞になるような不良タンパク質を処理するために、細胞内でオートファジー(タンパク質のリサイクル)をスムーズに行なうにもビタミン・ミネラルが不可欠です。

 

加工食品でビタミン・ミネラルが不足する3つの理由

お弁当だって上手に選べば、野菜も魚も肉もご飯も入っている。なのに栄養が不足するなんてなぜ?と思うかもしれません。清水さんがその3つの理由を教えて下さいました。

1、水煮したカット野菜を使っているから

美味しい煮物やサラダも、完成品しか見ていないので、その野菜たちがどのように処理されているかまで考えた事はあまりないかもしれません。

お弁当、外食産業では、野菜はカット済み、調理済みのものを使っている事がほとんどです。

工場でカットした野菜は、純水にさらし(変色しないように薬品につけている事も)水煮にして調理しやすくしてあります。

そうやって水につけたり、水煮にするとビタミン・ミネラルは水のほうに抜けてしまいます。栄養の抜けた野菜で料理している訳なんです。

しかも大抵その野菜は自分では買わないであろう中国産です。

もちろん、上記したことは、すべての加工食品、飲食店に当てはまる訳ではありません。地元の食材を使った、手作りの店を利用したいですね。

 

2、肉も魚もインジェクション処理でかさ増し

今やステーキもハンバーグもお手頃ランチでいただけます。ジューシーお肉も食べ放題。またコンビニのから揚げは根強い人気です。安くておいしいですから。

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でも、あんなに安くで提供できるのはなぜだろう…と考えた事はありませんか? 

外国産だから安価というのもありますが、実は、インジェクション処理といって、安くて硬い外国産のお肉に脂をブチュっとハリで注入してかさ増しているものもあります。(清水さんは画像を見せてくれて分かりやすかったのですが…)

結着剤でくず肉と脂を接着した成型肉を使ってる事も。。。柔らか加工とか、霜降り加工と表示していることがあるようです。

だけど、かさ増しした分、栄養も半分です。(どんな脂かもわかりません。その脂が気になる。。。毒は脂に溜まるから)

 

3、リン酸塩でミネラル排泄

多くの加工食品にはリン酸塩が含まれています。リン酸塩は、ミネラルとくっついて便に排泄してしまうので厄介なのです。ただでさえ不足しているミネラルを排泄してしまうんですから。

その困りもののリンは多くの加工食品に含まれています。賞味期限を延ばしたり、肉をくっつけてソーセージを作るのに使ったり、プロセスチーズの乳化剤、変色を止めたり保存性を高めるPh調整剤として、、、「リン酸塩の入っていないものを探す方が難しいくらいだ」と言われていました。

リンの摂り過ぎは、ミネラルを排泄してしまうだけでなく、特に骨に影響が出てしまうのも困りものです。成長期の子供の発育阻害や、骨粗そう症リスクアップなど大きな問題が潜んでいます。

 

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手作りしよう♪

ホントに、ごく当然の話なのですが、野菜や果物、海藻、肉魚卵といった食材(素材)を購入して手作りすることが、最も体が喜ぶ食事なのです。

40代以降、、、50代60代になっても若くてキレイで仕事が出来る人は、ジャンクフードやお弁当・お惣菜の類は食べません!(たぶんね。笑)ちゃんと作ったものを食べています。

また、病気を克服し更に元気になっちゃうような人で、弁当生活の人もいません。

ちょっとした工夫で、栄養のある料理は作れます。苦手な人は簡単レシピ本を見るもよし、クックパッドで検索するもよしです!

ズボラ料理で十分です。料理は手作りしましょう!

 

PS: で、不足する分をサプリで補おうと思う方は、「ファーストチョイスはマルチビタミン・ミネラルです!」とお話ししておられました。栄養はチームで働きますから。もちろん、中身がキチンとしたものを選んでくださいね。同じマルチビタミンでも会社によって材料、含有量、添加物の使用量に大きな違いがあります。

 

食事内容やサプリに関して、サプリメントアドバイザー、栄養療法カウンセラーに相談できます。

 
 

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