これはある医師のお話。分子栄養学では血液検査の結果から栄養状態を推察できるので参考のためにこれまでのデータを見せていただきました。

彼女は「こんな読み方をするんだ〜」と、とても興味深げでした。

他の人の役に立つならと、ご本人の了解を得られましたので例として書かせて頂きます。

 

栄養について知りたい

職業柄忙しく、ストレスの多い毎日。自炊できずに3食外食(あるいはコンビニ食)。

朝はほとんど食べない、昼は惣菜パン、夜は焼きそばやカレー、うどん・・

ほとんどが糖質という生活。「私も同じ〜;」と言う方もいらっしゃるかも?これは今流行りの新型栄養失調に至りかねない食事パターンです。

 

数年前から予兆はありましたが、ついに一年前に鬱病と診断されて3ヶ月休職を余儀なくされたとのこと。休んで回復したので現在は非常勤で復職されています。

いずれフルタイムで働くことを考えて体力をつけるために栄養について教えて欲しいというご依頼でした。

 

思っていたのと違いました

先に栄養バランスについて理解していただくために、三大栄養素のとり方からお話ししたところ、「思っていたのと随分違いました^^」という感想でした。

 

野菜を食べなさいと言う話をされるのかと思ったそうですが、もっと肉を食べてくださいという話の方が多かったからかもしれません。
もちろん野菜もたっぷり必要です♪
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な野菜や海藻をしっかり摂るのは大前提と言えます。

 

しかし、低くなっている白血球を上げるにも、貧血を改善するにもタンパク質が欠かせません。肉・魚・卵・豆類を毎食です。でもこれまであまり食べていないので消化できないといけませんから少しずつ増やします。

 

栄養バランスは学校でも学んだはずなのですが、日々の生活に流されてすっかり忘れているものです。まずは基本となる食生活を見直すことは欠かせません。ステーキだってがっつり食べられる体にしていきましょう!

こんな読み方するんですね

血液検査のGOT,GPT,γGTPなど通常なら肝機能を見るような項目で分子栄養学では酵素活性(B6)や脂肪肝、タンパク量などを推察します。

 

また、中性脂肪やコレステロールも栄養状態を見る重要な指標です。

この方の場合は中性脂肪が43と低め、でも総コレステロールは232で高めでした。

医学的にはちょっと注意しましょう程度の問題にならない数字です。でも彼女は医師なのでなぜこんな数字になるのかな〜と思っていたそうです。

 

これは分子栄養学での独自の見方ですが、中性脂肪は食事の影響を受けやすいので、低い時は低栄養状態、簡単に言えば栄養不足とみます。

一方でコレステロールは食事の影響はあまり受けませんがストレスでも高めに出ますし、甲状腺機能の低下があるかもしれないし、肝臓や膵臓が弱っていてコレステロールが使えていないから数字が大きくなっているのかもしれません。

 

そんな話をしたら、「そんな見方をするんですね〜」フムフム・・と面白がってくださって、理屈で説明された方が何を摂るべきかが納得できて良いと感じてくださっていました。

 

中性脂肪が低いのは栄養不足

中性脂肪は食べた脂質や血中の糖から合成されます。内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されるのでふつうは敬遠されますが、少なすぎるのも問題です。まずエネルギー不足ですし、体温を保ったり、内臓を守るという役割が果たせなくなってしまいます。お肌もカサカサになって早く老化します。

飽食の時代にピンと来ないかもしれませんが、エネルギーの余力があまりにもないのは危険なことなんです。そしてそういう方は意外と多いと感じています。

 

拒食症気味の方も中性脂肪がひどく低い方が多いですね。エネルギーがなさすぎて食べる力もないし食欲自体もないというちょっと怖い状態になっているのです。でも体はなんとかその状態から脱出したいので時々甘いものをドカ食いしちゃったりします。とにかく糖を摂って手っ取り早くエネルギーにしたいからです。

 

がんの再発を恐れて(元々かなり痩せてるのに)糖質制限をし朝断食をしていた方で中性脂肪29という人がいました。

がん患者さん向けの食事療法は粗食に関する情報が圧倒的に多いので、ついつい「自分もご飯は食べないようにしよう」とか「断食しよう!」とか、ストイックな方に走りがちですが、中性脂肪が低すぎる人や BMI(肥満指数)が21以下の人にはまずは栄養をしっかり摂ることを優先していただきたいと思います。

コレステロール値が高くても良い油が必要

コレステロールが少し高いタイプでも、脂質の取りすぎと言うわけではない可能性が大いにあります。先述した通り、甲状腺の問題や肝臓の問題かもしれません。まずはストレスを減らすこと、心身を休ませることが一番の改善の近道です。

気になるなら、脂質の酸化防止のためにビタミンEを摂っておくのもいいですね。

甲状腺機能が落ちているのは鉄や亜鉛不足が原因のことが多いので、すぐに薬に頼るよりも、ミネラル状態をチェクして不足しているものを補充する方が懸命です。放置すると乳がんや子宮がん等のリスクも上がります。

 

お酒を飲まない人の肝機能低下は便秘か食品添加物の影響で毒が溜まっている可能性が否めません。腸のケアと食生活の改善も必須です。

 

女の幸せは腸ケアから〜分子栄養学WEBセミナー
2017-10-17 08:00
「女の幸せは腸ケアから〜分子栄養学セミナー」 を受講する     どんな内容かというと… ・分子栄養学ってなに? ・小腸、大腸の働き−不幸せ感の理由は? ・腸内フローラ改善の3つの...

 

間違っても、コレステロール値が高いから油物を控えようなんて考えてはいけません。そもそもコレステロールは7割は肝臓で作っていますから、食べたものには依存していません。脂質は脂溶性ビタミンA,E,D,K,コエンザイムQ10の吸収にも欠かせませんし、ホルモンや胆汁を作るにも必要です。

大切なのは質の良い油を摂ることです。[カロリーの高もの=体に悪い]というイメージは捨ててください。栄養バランスよく程よい量を食べていれば太りすぎることはありません。食べずに栄養失調になることの弊害の方がはるかに大きいのです。

 

人間は栄養従属生物

人間はロボットのように壊れたら部品を交換するってことはできません。ヒトは栄養従属生物なんです。食べたものからエネルギーを得て、新たな細胞を作るようにプログラムされています。変わらないように見えて、実は常に新しいものに入れ替わっているんですね。自分では気づいていないと思いますが、あなたにはとてつもなくすごいシステムが備わっているんです。

 

だからそのシステムを維持するために、エネルギー源や細胞の材料となる栄養素は絶対に必要になります。それはどんなに科学が進んでも、文化が多様化しても変えられない部分なんです。

あなたはロボットよりはるかに価値のある素晴らしい存在です。ぜひ自分の体を維持するために、野菜や肉魚の買い物をし、自炊し、美味しく召し上がるために時間を取り分けてくださいね。

 

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