様々な体の不調のある人は、健康診断でA判定をもらってもホッとできないというのが本音ではないでしょうか。
不調の原因を知るために検査したはずが、何も出てこない。これではむしろモヤっとします。
よく言われるのが
「ストレスとうまく付き合ってくださいね」
「頑張りすぎですよ」
「ま〜・・・年ですね」
ストレスや仕事や年齢のせいにすればいいってもんじゃないと思ってしまいます(笑)
患者側としては、ストレスや年齢が関係するにしても、体で何が起きているのかを知って、上手く対処したい訳です。
とはいえ、実際のところ保険診療でお世話になる病院というのは「病気」を治療するところなので、そういう「未病」状態の人はまだお客さんではないのかもしれません。
でも、せっかく検査したものがあるなら、それを使って自分の状態を知れるとしたら理想的ですよね。
前回のブログで書いたように、分子栄養学は細胞レベルで体の不調を改善しようとするのですが、細胞を直接見るなんて簡単にはできませんよね。
でも血液検査によって血液細胞を覗き見ることで、ある程度細胞の状態を見ることが可能になります♪
血液検査データは自分の状態を知るために使えるとっても便利なツールになるんです!
理想のコレステロール値
通常の血液検査で、コレステロール値が出ていることは多いと思います。
コレステロール=動脈硬化・血栓・心筋梗塞・脳梗塞
というイメージがあると思いますが、分子栄養学的には栄養状態を見る重要な指標になっています。
医学界では低いほうが良いと思われがちなので、「低くてよかった」なんて喜んでいる人によく会いますが、実は総コレステロールは180以上、できれば200は欲しいのです。
LDLコレステロールは139mg/dlくらい、HDLコレステロールは70mg/dlくらいが理想と見られています。
高いより低いほうが、がんのリスクも死亡リスクも上がりますので、低かった方は、ぜひ栄養のとり方に気をつけて低栄養状態を脱出してくださいね。詳しくは随分前の記事ですがバックナンバーをご覧ください。
コレステロールは以下の材料になります。
・細胞膜
特に脳神経の細胞はコレステロールで覆われている
(高いほうが頭がイイ傾向にあり、低いと言葉も出にくくなる。)
・胆汁酸
油を消化する。油性ビタミン(A,E,D,K)の吸収
・性ホルモン、抗ストレスホルモン
性的な機能、ストレスに対応する力、抗炎症に必要
・ビタミンD
骨を作る、免疫機能、抗炎症作用、神経細胞の保護、細胞の分化
・CoQ10
エネルギーを作る(特に心臓のエネルギー)
いつも高くて心配な人は?
コレステロールは8割が肝臓で作られており、食べたものにはあまり依存していません。その関係で、アメリカではコレステロールの摂取制限を設けなくなりました。
そんなこんなで、栄養療法をする人はコレステロール値に関しては、検査票にビックリマーク(!)とか、上マーク(↑)とかあってもさほど気にはしません。
とはいえ、低タンパク気味なのになぜかコレステロールはいつも少し高めという人は気になります。
私としては病中病後の方や社長さんや重役クラスの方に多いイメージです。
その場合、ストレス過多に対処するために肝臓がコレステロールを多めに作っているのかもしれないし(抗ストレスホルモンの材料だから)・・あるいは肝臓でコレステロールを作っても上手く使えていなくて余っているのかもしれません。
また、脂質代謝がうまくできないということは、胆汁がうまく出ていないのかもしれないし、肝臓が弱っているのかもしれない。そんな風に考えます。
ちょっとマニアックですが、以下のようなデータの時は甲状腺機能低下を疑いますので、クリニックで甲状腺もチェックしてもらったほうが良いかもしれません。(血液検査で診てもらえます)
何れにしても、肝臓に負荷がかかっていると考えられますので、ストレス対策として思い切って環境を変えてみたり、睡眠の質と量を改善して肝臓を休めてあげることが先決です!
もちろん肝臓に負担のかかるお酒の飲み過ぎ、タバコや薬の使いすぎもいけません。
そして意外な盲点が腸内環境です。腸から毒素が肝臓に行かないようにすることも大切なのです。日本人の7割近くがリーキーガット(腸に穴が空いた状態)になっているとも言われるのですが、そうなると様々な毒素が漏れ出て肝臓にまで至ってしまいます。
あとは、いろんなハーブやタウリンで肝臓をカバーするのもありです。
(例としてiHerbのリンクを貼っているので参考にしてください)
コレステロール値を適正に保つためにも解毒や栄養が大切なんですね!ぜひ、ご自分の血液検査データを見直して自分の状態を確認してくださいね。
☆ご自分の栄養状態が気になる方はカウンセリングをご利用ください。