食べたものでしか、体はできません。そして、細胞膜の材料は油なので、良い油をとりたいもの。
先回、市販のオイルを買う時はちゃんと絞った本物の油、「低温圧搾」のものを選ぶべし!ということを書きました。
ここまでは、油の製造方法によってガンを招かないようにしよう、というお話でしたが、今回は脂質バランスに関する話です。
ちょっと具体的になってきますが、がんの食事療法を考えている方は、細胞の状態改善のため、ぜひ理解していただきたい内容です。
ガン患者さんが取りたい、油のサプリも紹介しますので、少し時間を取って最後まで読んでみてくださいね。
脂質は人間が生きていくために必ず取るべき栄養素なのですが、必須脂肪酸には幾つか種類があり、その摂取バランスが崩れることが、細胞のガン化につながってしまうのです。
脂質もバランスが大切
人間が体内で作れない、食事からとらなければいけない種類の油を「必須脂肪酸」といいます。
それには、オメガ3系の油とオメガ6系の油があります。
どちらも細胞膜の材料になりますが、オメガ3はEPAになりオメガ6はアラキドン酸に転化されて全く逆の働きをして、お互いを補っています。
◇オメガ3系(α‐リノレン酸)とは
・エゴマ油
・フラックスオイル(亜麻仁油)
・魚の油(サンマやイワシ、サバに多い)
魚以外は馴染みがないかもしれませんね。
[ 主な作用 ]
・細胞を柔らかくする
・血液サラサラ効果
・血栓を抑制
・炎症を抑える
・血管拡張
◇ オメガ6系(リノール酸)とは
・大豆油
・紅花油
・菜種油
・コーン油
・こめ油
・ごま油 など…
フライドポテト、カップラーメン、
天ぷら、スナック菓子、ドーナツ、
カレーライス、ドレッシング、マヨネーズ
[ 主な作用 ]
細胞を硬くする
血液を固めるので血栓も作ってしまう
炎症を促進、アレルギー促進
(ちなみにオリーブオイルはオメガ9系です。)
オメガ3と6のバランスの理想は
1:2 ~ 1:4
しかし現代の日本人はこの比率が
1:10 ~ 1:40
になっていると言われています。
オメガ6系を過剰にとっているという事ですが、オメガ6系の油というのは、炎症を起こしやすくし、血液をドロドロにします。
結果的に様々な病気、もちろんがんの原因にもなっているという訳です。
オメガ6系を減らし、オメガ3を多めに取るべし!
ということがお分かりいただけたでしょうか。
つまりは
エゴマ油、フラックスオイル(亜麻仁油)、青魚
を意識的に摂ると良いということですね。
食べ方に要注意!
オメガ3もオメガ6もどちらも不飽和脂肪なので酸化しやすい
という特徴を持ちます。
特にオメガ3系は非常に酸化しやすい!
ですから鉄則は熱を加えず生で食べる。
ということです。
オメガ3はダイエットやアレルギーに良い、などとTVで放送されたりすると、多くの方がこぞってエゴマ油を購入なさいます。
そして、油といえばどんなものでも加熱して良いと思われているようで、容赦なく炒め物に使っているケースがあります。
…が、絶対それはやめていただきたいのです ヽ(;▽;)
ぜひ熱は加えないで使ってくださいね。
せっかく良いものを摂っても、酸化させてしまっては台無しです。
◇ 使い方の例 ◇
・サラダのドレッシングとして
(塩、コショウ、+ フラックスオイル or エゴマ油)
・人参ジュース、スムージーに混ぜる
(ビタミンAの吸収を助ける)
・スープなどお料理の仕上げにサラッとかける
・キムチやお刺身に付けて…
(マイルドなお味になります)
魚の油(DHA/EPA)がおススメ
残念な点として、フラックスオイルやシソ油は、ビオチン不足の方は体内でDHA/EPAに変換することが難しく、吸収が悪くなります。
吸収を考えるとお魚を意識的に取りたいところです。
(私は時々魚油由来のDHA/EPAをサプリメントでとっています。オキアミのサプリもおすすめ。)
魚の油も熱を加えない方が良いのでお刺身でいただくのが一番!ということになります。
どうしても面倒な方は、鯖の水煮缶など缶詰を使うのも手軽ですね。
(もちろん添加物はチェック)
がん患者さんに有効な油
アメリカでは、術後の炎症を抑えるため、また、がんによる炎症性サイトカインを抑えるため、病院でもDEA/EPAを大量摂取させることがあります。
特に炎症性サイトカインは食欲や体重を減らしてしまうので、
これに抵抗することで、がん患者さんの食欲を増進し、体重減少を抑制することが確認されています。
また、ガン細胞が新生血管を作ることを阻止している可能性も指摘されています。それによって転移予防になるわけです。
質の良いDHA/EPAのサプリメントを探すのは難しいものです。
必要な方はご相談ください。
PS: 大野さんは、炒め物とか揚げ物には何を使ってるの?とよく聞かれます。
私は酸化しにくい飽和脂肪酸の油を使いたいので、バターかココナッツオイルで炒め物をしています。
臭いのしないタイプのココナッツオイルがあるので探してみてください。
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