今日ご紹介するビタミンは、体の代謝(体内の化学反応)に欠かせないものです。
がんで鬱状態になっている時にも必須の栄養素でもあります。
不足した時にわかりやすい症状は「疲れやすくなる」「肌の調子が悪くなる」ことかもしれません。
そのビタミンとは・・・
ビタミンB群
Bコンプレックスなんて言われます。「劣等感」の方じゃありません(笑) 複合ってことです。
ビタミンBは8種類あり、身体中で協力しあって働いているため、B「群」と言われます。出来るだけ沢山の種類のBを摂る方が効果的です。
■□ビタミンB群の仲間を紹介□■
・B1
・B2
・B6
・B12
・ナイアシン
・ビオチン
・パントテン酸
・葉酸
ビタミンB群が効果的に働くためのサポーターたちもいます。《 核酸、カルニチン、イノシトール、ベタイン 》です。
肝臓をカバーしてQOLを高めることを考えると、沢山の種類をカバーしたサプリメントを選ぶように意識したいですね。
TCAサイクルという体が栄養をエネルギーとして使うシステムに欠かせないビタミンB群に関しては書きたい事がいっぱいありますが、長くなるのでがんに絞って書きましょうね(汗)
がん患者さんにビタミンB群な訳
がん患者さんが特にビタミンB群を必要とする理由は次のようなものです。
・糖代謝異常を引き起こしているから
(糖の代謝にはBが必要)・点滴や薬でアシド―シスに陥っている時に特に必要
(アシドーシス=血液の酸性度が高い状態)・精神的ストレスによってB群を消費している
・免疫細胞を作るのに欠かせないから
・摂った栄養を有効に活用したい
・がんによる貧血改善に欠かせない
・手術・放射線・抗がん剤のダメージを少なくしたい
ビタミンB群が、がん対策に重要な理由がご理解いただけましたか?
胃切除したらビタミンB群は必須
特に胃がんの手術前にはビタミンB群のストックが必要です。
とりわけビタミンB12に注意が必要です。タンパク質の合成や赤血球の合成に必要なビタミンです。不足すると貧血や冷え性になります。
ビタミンB12は食品ではタンパク質と結合しているんですが、胃内で胃酸とタンパク分解酵素の活性により分解されます。ようは胃でB12とタンパク質を切り離す訳です。
なのにその胃を取ってしまうので…生きてはいけますが、やはりイロイロ支障が出ます。
胃を全摘するとB12や鉄不足によって悪性貧血になる恐れがありますし、何と言っても疲れやすくなります。男性でも冷え症に。
ですから、胃を切除した方はビタミンB群のサプリメントを多めに頻回摂ることをお勧めします。
がん患者さんのB群摂取目安はB1レベルで100~300mgです。
(高濃度サプリが必要な方はお問い合わせください。)
食事の注意点
B群不足だと疲労感が強いので、甘いものを食べたくなっちゃう人も。
…ですが、再発を防ぎたいので、そこは辛抱が必要です。
B不足でタダでさえ貧血状態で、ガン体質なのに、がんの大好物のお砂糖まで摂ったら…イケナイ!いけない!
疲れた時の甘いものは、糖代謝するのにまたB群を消費してしまい悪循環です。
おやつはナッツ類やゆで卵、キウイやリンゴ、アボカドがおススメです。干し芋とか栗もいいですね。
ビタミンB群の多い食材は、代表は豚肉(消化力がない方は、ミンチにしたり消化酵素を使うようにします)
その他は、牛肉、ウナギ、卵、カツオ、ナッツ類、レバー、納豆、緑黄色野菜、海苔、舞茸など。
疲労回復、脳疲労改善、代謝アップ、貧血改善・・いろんな目的で使われいてるビタミンB群。
ミトコンドリアの改善には必須の栄養素ですので、ぜひ意識しておきたいですね。
PS:腸内環境が悪い人は酵母系のB群サプリは避けてください。