「がん」というとメタボな人の方がなりやすそうなイメージがありませんか?

でも実は…

”非常に痩せている”とキケン

・・・なのです。

国立がん研究センター予防研究グループによる調査では、調査開始時の肥満度BMI=体重(Kg)÷[身長(m)]²)を算出しそれを7グループに分けて、その後のがん全体の発症率を比較しました。

調査開始から約10年以上の追跡調査の結果を見ると、やはり非常に太っているグループと非常に痩せているグループでのがんの発症率が高かったのですが、特に男性は、非常に痩せているグループでの発症率増加は顕著でした。BMIが19未満の特に痩せているグループはBMI23~24のグループと比較して、約30%高くなっていたのです。

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 国立がん研究センター予防研究グループ http://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/2830.htmlより

日本人の中高年男性で一番がんにかかりにくいのはBMI25~27の人たちです。

もちろん肥満も全体的にハイリスクですから、BMI30を超えていない”やや肥満”でも減量を始めるべきです。

女性は「全死亡リスク」に関しては男性と同じで痩せている人の方がハイリスクなのですが、「がん」に関してはBMI30以上の肥満の方が高くなっています。

急増している大腸がんや乳がんは肥満の人に多いからかもしれませんね。閉経後は少し脂肪がつくのが普通なのですが、病気をしない程度の体重コントロールは必要ですね。

BMI値はココで自動で計算できます⇒http://bmi.nobody.jp/

 

普通体重と言われるBMI21未満であっても男性の死亡率が上がっているのは意外な感じがするかもしれません。

これは私の推測ですが、日本では栄養に関する教育レベルが低く認識が浅いので、質的な栄養失調が伴っているからなのではないかと感じます。

つまりある程度の体重はあったとしても、実際はお菓子やパン、加工食品…といったジャンキーな食事でつくられた栄養スカスカな体なので、本当はかなりの栄養失調状態…。だから生活習慣病になりやすいし、病気からの回復力も少ない…といった所ではないでしょうか。

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痩せている人がしてはいけない事

痩せている人ががんになってしまったとすると、まずしなければいけないことは何だと思いますか?

それは、、、、

栄養状態を改善して、健康的に太るです。カロリーを気にするのはやめましょう。(というか、むしろ高カロリーなものを食べて欲しい)

BMI値を21以上に持って行きましょう。そのためにブロッコリーやアボカド、豆類といった野菜を増やし、卵や魚、脂の少ないお肉も毎食しっかり摂りましょう。

「ファスティング(断食)でガンが消えた」とか、あれを食べたらだめ、これもダメ…とか書いた本などを読んでしまうと、真面目な人はすぐに実践したくなると思いますがそちらに走ってはいけません。

何か規制するほうが頑張っていて良さそうなイメージあるかもしれませんが、人によって体の栄養状態は違うので、するべき事も当然異なります。

抗がん剤などの治療が始まるとますます食べられなくなって痩せてしまいます。栄養失調で回復も遅れ、、、悪循環に陥ってしまいますから痩せている人はとにかくちゃんと栄養のあるものを食べて太りましょう。

 

少し具体的には・・・

何でも食べて良いとは言っても、ガン細胞に栄養を与えないようにしたいので、糖質は控えます。砂糖や合成甘味料、ご飯(玄米も含む)や麺類、パンといった炭水化物で太ろうとしてはいけません。

タンパク質(肉・魚・卵・豆類)やお野菜を毎食たっぷり食べて下さい。

(ただ、消化出来ないような時は、炭水化物でもいいのでとにかく食べられるものを食べます。)

卵を2~3個食べて構いませんし、豚肉も大歓迎です。お野菜は栄養価の高い季節のものを。生のもの、熱を加えたもの、両方頂きましょう。生にこだわる人もいますが、生だけでは体が冷えますし量が沢山食べられません。

タンパク質

食べているんだけど痩せている…という人は

食べている割りに痩せていると言う人もいます。そう言う人は消化吸収できていない可能性があります

原因の一つとして消化酵素が少ないからというケースが多いようです。(胃酸の状態は血液検査のペプシノーゲンでわかります)

まずは胃酸が出るようによく噛む事。また、お薬で(胃薬)胃酸を抑えている事もありますから、胃酸を抑えるお薬は可能なら早めにやめましょう。逆に消化酵素のお薬(ムコスタ)を処方してもらうのも良いですよ。それが無理ならサプリを紹介します。

そもそも消化酵素は体内でタンパク質から作るものですから、タンパク質摂取量を少しずつ増やしていく事が必要です。(急に増やしても消化できないので注意)

レモン水やお酢、大根おろしも消化酵素をカバーするのに使ってみてください。

 

また神経質な人も胃酸がよく出ません。リラックス~♪が大切です。食事は楽しく頂きましょう。

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楽しい仲間と美味しく食べることが消化にはと~っても大切なんです♪ 食事中にはケンカしないようにしましょうね。消化に悪いから(笑)

もちろん、サプリメントも上手に利用して不足している栄養をカバーしてください。

― とにもかくにも、太りすぎ以上に痩せすぎには注意が必要!ちゃんと食事からの栄養を意識しよう!ということですね。

 

PS:2月中に「がんと栄養」に関して全般的なお話をします。福岡大阪会場があります。ぜひご参加ください。

もともと痩せたがん患者さんは体重を落とす事が寿命にも大きく影響してしまいます。食欲が落ちて食べられない時、入院して病院食で栄養失調になりそうな時は特に栄養面のカバーのためにご相談ください。

 

~セミナー情報~

 

☆「がんを知り栄養で対策!分子栄養学講座」

病院で聞く事ができない、予防にも病態改善にも不可欠な”がんと栄養”の話をがっつりお話します!!

詳しくは下記URLをクリック!

【福岡】2月11日

http://www.kokuchpro.com/event/e30f3528792eefe0c86416adfbb265ec/

【大阪】2月25日

http://www.kokuchpro.com/event/7c46628335fbd5385880c52ba89d454c/


参考資料:がんになったら何を食べたらいいの?小林びんせい著/自由国民社

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