がん患者さんからよく聞く悩みの一つに「むくみがひどい」というものがあります。ぞうの足みたいになってしまうと、なんだか不安になっちゃいますよね。
今回はむくみに対する栄養対策をご紹介します。抗がん剤の”やめどき”とも関係があるのでぜひご一読ください。
むくみの原因というと・・・
- 腎臓が弱っている?
- それとも心臓?
- 運動不足?
- 栄養不足?
と、この辺りが考えられますよね。どれもあり得ますが、分子栄養学(栄養療法)では細胞レベルで体の状態を見るためにある血液検査項目に注目します。
見るべき検査項目は?
むくみがひどいと言われたら栄養療法ではアルブミン値を見ます。(アルブミンを検査していない事もありますが;)
血清には100種類ものアミノ酸がありますがその中約67%を占めるのがアルブミンです。
アルブミンは肝臓で合成される関係で、抗がん剤治療などで肝機能が落ちているがん患者さんは極端にアルブミン値が落ちる傾向にあるんです。
また、がん細胞に栄養を横取りされることでもアルブミン値は落ちますし、極端な食事療法で動物性タンパクを極力摂らないようにしてきた方もアルブミンが下がりがちです。
アルブミン値が4~4.5くらいあるのが理想ですが3以下になっている方もいらっしゃいます。(高すぎも問題です)
アルブミンは「輸送タンパク」で、栄養を運ぶトラックなので、あまり低いと栄養が運べないため危険な状態になります。薬も運べないので副作用ばかりが強くなります。
そんな訳でがん三大療法を続けるリスクの方が高くなりますからアルブミン値は抗がん剤のやめどきを考える一つの指標になるのでぜひ覚えておかれて下さい。
アルブミンとむくみの関係
少し”むくみ”に関して話がそれましたが、このアルブミンと”むくみ”の関係に話しを戻しましょう。
アルブミンは「輸送」意外にも、「血管内に水分を保持する」という重要な仕事があります。それでアルブミン値が低下すると血管に水分をとりこめずに溢れてしまうのでむくみがおこるんです。
それでがん患者さんでむくみがひどいときにはアルブミン値を見ます。3以下で浮腫んでいたら水を吸ってくれるスポンジが少ないからかもしれないと判断してアルブミンを上げる事を考えます。
仮にむくみを訴えていないとしても、アルブミン値が低いままではいくら栄養を入れても運べないので(その状態で抗がん剤すると危険だし)いずれにしてもアルブミン値を上げる事は急務です。
それではアルブミンを上げるにはどうすればいいか?ということになりますよね。
ざっくり言うと・・・
・材料を入れる
・消化吸収の改善
・肝機能の改善
というところです。少し解説します。
・材料を入れる
アルブミンは食べたタンパク質から合成するのでタンパク質を摂る必要があります。最も手っとり早い方法としてはアミノ酸のBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)をサプリメントで摂るのがおすすめです。プロテインやアミノ酸でもOK。
BCAAはかなり効果的だと感じています。先日がん治療中の方で、低アルブミンで足のむくみを訴えていた方にBCAAを使って頂いた所、翌朝には効果を実感でき足がスッキリしている!!!と喜んでおられました。
・消化吸収の改善
アミノ酸やプロテインも良いのですが、吸収できていないといつまでも改善しないので消化吸収能力を上げる事も考えなくていはいけません。消化酵素をプラスしたり、腸内環境改善のために乳酸菌や食物繊維摂取を意識したいですね。
・肝機能の改善
肝機能アップのために肝臓のデトックス(解毒)しましょう。抗がん剤を続けてこられた方は特に必須です~!ハーブを利用したデトックスがおすすめです♪
解毒ハーブとしてはオオアザミ、クルクミン、アーティチョークあたりが有名ですね。
☆肝臓ケアできるハーブサプリ
がん患者さんのむくみは意外と悩ましい問題ですから、必要な時は相談してくださいね。