2017年1月8日に東京駅前で開かれた分子整合栄養医学実践講座。今回の講座は7期のまとめ的な内容でしたから、全体像を把握できて非常に有意義でした。

 

あなたのがんとの付き合い方に大きなヒントになる部分があると思ったのでまとめてみます。

 

あまり聞き馴染みがない言葉かもしれませんので「分子栄養学とは何か」というところから、簡単にお伝えしますね。

 

分子栄養学とは

「分子整合栄養医学」とか「オーソモレキュラー療法」とも言うのですが、これは二度のノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士の造語です。

彼とその仲間たちは「がん」を全身性の慢性の”代謝性異常状態”としてとらえていました。

それで全身の代謝異常を是正することで「がん」は治療可能であると考えました。

この代謝異常は細胞レベル(分子レベル)で起きるものです。細胞レベルの代謝異常を整えるために、細胞の材料である栄養素を利用するのが「分子栄養学」です。

ビタミンやミネラルといった栄養素を治療レベルで大量に使うこの分子栄養学的治療法は「栄養療法」とも呼ばれています。

(以下では栄養療法とします。)

 

3つの病態を見極める

さて、今回の分子栄養学講座のテーマは「栄養療法 治療方針と治療手段」でした。
  
先に書いたように、一般的な医療では、病態を臓器レベルで把握して病名が付けられますが、栄養療法では病態を全身症状と細胞レベル(分子レベル)で把握し対応します。
 
 
どちらかと言うと「病名」で対応するのではなく病態重視です。その病態は大きくわけると3パターンあると教わりました。

1.疲労系:疲労感を主訴とする。ミトコンドリア機能低下状態。

 (慢性疲労、甲状腺機能低下など)

2.免疫系:ステロイドを用いるような免疫疾患。炎症が関係する。

 (アトピー、リウマチなど)

3.精神神経系:神経伝達物質が問題になる疾患。
 (統合失調症、うつ、ADHDなど)
 
 
このどれに当てはまるかで治療方針が決まります。
 
例をあげると、上に書いたように副腎疲労症候群なら、臓器別に言えば副腎の病気ですが、栄養療法的には疲労系疾患の対策をします。同じく甲状腺機能低下症も疲労系の病態なので対策も近いものになります。
  
こんな感じで、病態での分類として考えると結構シンプルです。
 
ただ、実際の対策としてはかなり個体差があることを考慮する必要があります。
 
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特に精神神経系は要注意です!
神経伝達物質のバランスを正常化することが治療手段になりますが、効果があるとされてきた栄養素でも、遺伝的なタイプによってバランスが異なるため逆の作用をしてしまう事もあるとわかってきたんです。その見極めが大切なんですね。 
うつはセロトニンを増やせばいいと思われていて、SSRI(セロトニンを増やす薬)が誰にでも処方されるけれど、実際はむしろセロトニンが多い患者さんもいるのでそのタイプの人には逆効果だったり。
統合失調症だからと言って、誰でもナイアシンが効く訳ではなかったり…。
間違った対策をすると精神疾患は悪化することでかなり厄介な事になります。ご飯が作れないし、食べる気にもならないし、栄養対策どころではなくなります;
分子栄養学的ながんに対するアプローチ
上記のことを考えると、がんは三つの病態のどれに当てはまるでしょか。あなたはどう思いますか?
 
疲労系、免疫系、精神神経系。。。。
 
なんとなく、免疫力が落ちてがんになるのかな~と思うと、免疫系?って感じがするんですが…。
 
実は、、、、
がんの場合、三つとも関係しているんです。
 
つまり、こんな具合です。。。
1、疲労系
がんは細胞内のミトコンドリアの機能低下が関係しています。エネルギー工場のミトコンドリアがちゃんと機能してしないためにがんが進行すると疲れやすくなります。
ミトコンドリア機能が低下するとアポトーシス(細胞の自然死)不全になり、コピーミスした細胞がそのまま増殖してしまうことになります。これががん細胞になります。
ってことで、ミトコンドリア機能を改善しなくてはいけません。
2、免疫系
免疫力が低下してがん細胞をやっつけきれてないというのもありますが、免疫細胞が暴走して慢性炎症がおきている結果がん化してしまうというケースもあります。
単純に免疫力を上げればいいというものではなく、免疫細胞の暴走も抑えなくていはいけない。
炎症がないか(腸・歯・咽頭など)チェックして炎症を抑えることが必要です。歯の詰め物のアマルガム(水銀)が悪さしていることも多いんですよ。
 
 
自己免疫疾患(膠原病やリウマチ、アレルギー性疾患等々)を持つ人も、炎症がどこにあるのか突き止めてみてください。ステロイドで完治はありません。腸の炎症なのか、咽頭炎なのか、、、炎症の出どころを抑える事で根本的な解決策となる可能性大です。
 
3、精神神経系
「がんの原因はストレス」と言われますし、逆に病気と診断されるとその事自体が大きなストレスになりますから、がん患者さんのストレス対策は必須事項です。
がんとうつ病を併発する人は30%近くに上ると言われます。

タイプごとに脳神経バランスを崩す要因鉄、銅、亜鉛、水銀など重金属の過不足が関係することが多い)を見分けて、栄養対策をすることに加え、マインドフルネスなどを用いたストレス対策が効果的です。

 
がん対策は”これさえすればいい”みたいなものではないと改めて感じます。逆に言えばできることは色々ありますね。
 
 
今すぐ対策を必要としている方で、自分で治療の優先時順位が分かるようになりたいという方は、次回の分子栄養学実践講座を受講するのも良いし、そこで学んだ医師のクリニックで様々な検査をしてみるもよしです。もちろん私が一緒に考える事もできます。
 
またはこのレポートを参考に3つの対策に早速取り組んでみてくださいね!!

 

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