MCTオイルがテレビCMになるくらいメジャーになっていますので、かなり今更感はありますが、ダイエットだけではなく幅広く使えるアイデムだということをご存知でしょうか。
MCTオイルって何?
MCTオイルの原料はココナッツオイルかパーム油です。ヤシ科の植物に含まれる「中鎖脂肪酸」のみで作られているのが大きな特徴です
パーム油は抽出に使う成分の安全性が疑問なので、購入の際は、ココナッツオイル由来のものを選んでいただきたいと思っています。
*私が使ってるのはコレ
ココナッツオイルも中鎖脂肪酸に分類されていますが、実は半分は長鎖脂肪酸なのです。
それで、より消化・吸収がよく、脂肪として蓄積されにくい、効率的なエネルギー補給源として注目されているのがMCTオイルと言うわけです。
MCTオイルを摂ると、どんないいことがあるの?
・糖質並みにエネルギーになりやすく、元気が出る
・抗菌抗真菌作用があるのでカンジタ対策に使える(特にC10)
・余分な脂肪を燃焼して抗肥満作用がある!
・炎症を取り除く
・乳酸を低下させる
・糖質に頼らずに低血糖対策に使える
良いことがたくさんある魅力的なオイルですね!
では、具体的にどんな方に使っていただくと良いのでしょうか。
タイプ別使い方
がん患者さん
MCTオイルには、C8(カプリル酸)とC10(カプリン酸)があります。
お勧めしたいのは強力なエネルギー補給になるC8(カプリル酸)の方です。
がん細胞は正常細胞のエネルギーを奪って行きます。ですから、がん患者さんはがんそのものではなく、栄養欠損で死に至ると言っても過言ではないのです。
エネルギー補給が重要な課題になる訳なのですが、かと言って、糖質でエネルギー補給すると、がん細胞が増殖してしまいます。
(砂糖や人工甘味料のような単純糖質は避け、ご飯は普通に100g程度はちゃんと3食食べることをお勧めします。)
そんながん患者さんにとって、MCTオイルはがん細胞の餌にはならないエネルギー供給源として非常に有効なアイテムなんです!
がん細胞のもう一つの特徴として、乳酸の多い環境を好み、自らも大量の乳酸を生成して住みやすい環境作りをするするという点があります。だから疲れやすくなるんですね〜!
がん細胞が作った乳酸は免疫を抑制し、がんの転移・増殖を促す作用があることもわかっています。乳酸対策は非常に重要な課題になります。
MCTオイルは、この乳酸を低下させる面でも使えるのです!!素晴らしい!!
(乳酸対策としては、他にもお酢を飲むとか、クエン酸を摂取する、血糖値を上げすぎる食事に注意するなども有効です)
C8を使う量は、30〜80ml /1日
一回に15mlくらい使うようにして、それを食事やおやつの度にとる感じです。
無味・無臭なので、プロテインに入れたり、サラダやスープ、色々なおかずにかけて意外と無理なく摂取できるはずです。
副腎疲労・低血糖症のある方
ストレスフル、忙しすぎる、朝からぐったり、とにかく疲れやすい、首こり・肩こりがひどい、食いしばりがある、食後に眠くなる、お昼の前や夕方になると異常にイライラしちゃう、妙に甘いものを欲する・・そんなあなたは副腎疲労や低血糖症があるのかもしれません。
慢性的に疲れているその状態を改善するために、血糖コントロールが重要と聞いたことがあるかと思います。
しかし、血糖障害がある人がいつも糖質をエネルギー源としてとっていくと、その度にインスリンを出さなくてはいけないということになり、それはそれで臓器の負担になるのが問題になります。
そこで、MCTオイルが使える!という訳です。
MCTオイルは普通の脂質(長鎖脂肪酸)と代謝経路が異なり、糖質と同じくらいのスピードでエネルギーに変換されます。インスリン に頼らずに!
さらに、MCTオイルは脂質エネルギー代謝のスイッチをオンにして、余分な体脂肪をエネルギーに変えやすい体質にしてくれるそうです。
上手に脂質を使えるとエネルギー効率の良い体になって行きます。
MCTオイルを上手に使えば、糖質をとり続けなくても低血糖症状が減っていきます。
(急に糖質を減らしすぎないように注意してください)
MCTを摂り始めると、甘いものを欲さなくなるのは、こういう意味でもあります。
副腎疲労している方や、低血糖症の方が、MCTオイルの体感ができる摂取量は、10g/回を1日に2回程度。
ただ、初めて摂る方がいきなり10g/回とってしまうと、下痢や胃腸の不快感があらわれることもあります。
最初は慣らすために、3~5g/回からスタートさせ徐々に増やしていけば安心です。
オイルよりもパウダーの方が気分が悪くならないという方が多いようです。
個人的には、オイルでも食事にかけて食べれば全く問題ないと思いますが人によるようです。
ダイエット
MCTオイルは元々はダイエット目的の方の間で広まった印象です。
一般的な植物油の分解のピークが約5時間後なのに対し、MCTオイルはなんと約3時間で分解のピークを迎えるのだとか。
そのため、体脂肪として蓄積されにくいと言われています。
また、糖質制限をしながらMCTオイルを使うと、ケトン体がうまく生成されることから、脂質代謝を利用するケトジェニックダイエットにも使われます。
ケトジェニックダイエットのために、バターや生クリームをたくさん食べる人がいますが、そんな方の血液検査を見ると20代や30代でも、既に動脈硬化リスクが高い状態になっています。
日本人は、脂質代謝が苦手な方が多いようですから、ケトジェニックダイエットはなかなかハードルが高い印象を持っています。
もしなさるのなら、MCTオイル(ケトン合成能の高いC8)をしっかり利用なさるのが良いかと思います。
入手しやすくなったMCTオイル。
がん患者さんの効率的なエネルギー補給、低血糖対策からダイエットまで、上手に活用していきたいですね!