2015年7月7日放送(テレビ朝日系)

「中居正広のミになる図書館」で、

タレントの松嶋尚美さんが、こだわりの子育て法を熱弁!

その一つとして、

骨が弱くなるらしいから子供に「牛乳を飲ませない」

と述べていました。

しかし、医師からはその根拠を

あっさり否定されて絶句していました。

牛乳、 賛否両論ありますね~;

牛乳はモー毒?!

確かに牛乳には様々な悪評が立っていますね。

アメリカの陰謀説、発がん説

カルシウムが抜けて骨粗しょう症になる説、

果たして牛乳は諸悪の根源、モー毒なのか?

 

 私自身、過去には

「牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物だ!」

という意見に賛同し、

がんリスクが上がるとも考えて、徹底的に避けていました。

 

もともと、日本人らしく乳糖不耐症のようで、

飲むとお腹がグルグルしていましたし、

やっぱり体に悪いんだ~と思っていました。

(でも、今は冷たい牛乳を飲んでも平気です。)

 

しかし、松嶋さん同様、人から聞いただけで、

自分で調べた訳ではなかったのです。

自分で調べていくと、

どうも牛乳のモー毒説ほど悪者ではなさそう。。。

 

もちろん、牛乳のカゼインにアレルギーのある人、腸に炎症のある人は、牛乳も乳製品も避ける必要があります。

また、カルシウムはマグネシウムとのバランスが大切です!!

牛乳をとるなら、マグネシウムも意識的に取りましょう。(海藻、ナッツ、煮干し、豆類など)

 

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牛乳とがんの関係はどう?

このブログの性質上、今回は特に

「がんにはどうなの?」ということに絞りますね。

 

大腸がんの発生を予防する可能性

2010年までに発表された19件のコホート研究

のメタ解析の報告によると、

牛乳1日200g続けて大腸がんのリスクが0.91倍に低下。

全乳製品では1日400gの摂取でリスクが0.83倍に低下。

(チーズでは予防効果は認められていない)

 

ということで、牛乳・乳製品の摂取量は

大腸がんの発生リスク低下

関連していると結論されています。

 

カルシウム、ラクトフェリン、

醗酵乳製品中の乳酸菌、ビタミンD、酪酸

などががん予防に関係しているようです。

 

ただ脂肪が多すぎる物は逆効果なので、

チーズやクリームは取り過ぎてはいけませんね。

 

さすがに乳がんにはダメでしょ?!

ホルモンの関係する乳がんに関しては、

牛乳は絶対だめよね?

ということで避けている方も多いはずです。

ところが、ところが…!

 

論文の結論からすると、

乳製品の摂取量が多いほど

乳がん発生のリスクが低下する。

ということです。

 

2011年1月までに発表された、18件の

コホート研究の結果をメタ解析で検討した論文で、

対象人数は100万人以上で

解析していますので信憑性が高いですよね。

 

乳製品の摂取量の多い人は

少ない人に比べて乳がん発生リスクが

0.85に低下すると報告されています。

 

欧州10カ国が参加した大規模コホート研究の

解析でも、乳製品の摂取量が増えても

乳がんの発生リスクは上がらないという結果でした。

 

牛

牛乳発がん説は何だったのか…

とはいえ、既に前立腺がん患者さんの調査では、

乳製品を多く摂取する人と、

ほとんど摂取しない人を比較すると

がんの進行が2.15倍になっています。

 

ただ、低脂肪乳だと逆に進行リスクが

0.62に低下しているのです。

 

ここからは私の見解です。

乳製品で問題になるとすれば脂肪ですね。

脂肪部分には実際はビタミンAのような

がん予防に必要な栄養が豊かなのです。

だから、脂肪そのものは取り過ぎなければ

むしろ益があるはず。

 (ま、取り過ぎれば何でも毒になりえますが)

 

でも脂肪分には毒も集まりやすい。

ということは、本当の問題は牛乳そのもの

ではなく牛の食べたものにあるのでは?

 

あなたの飲んでいる牛乳の

牛の餌や、牛乳の製造方法はどうでしょう。

 

多くの場合、乳牛は身動きできない檻のような環境にいて

抗生物質や成長ホルモンたっぷりな、

遺伝子組み換え飼料を与えられています。

そして出来たミルクを超高温殺菌。

 

人間と同じです。

牛も食べたものでミルクが出来ますよね。

そんな化学物質漬けになっている牛のミルクに

何かしら問題が発生するとしても当然です。

 

ですから、どんな環境で、

どんな餌を与えられている牛か

ということがポイントなのではないでしょうか。

安心して飲めるものを選べば良いのでは?

と思います。

 

特に乳がんや前立腺がんといった

ホルモン系のがんを患っている方、

成長期の子供さんがいるご家庭では

質の良い牛乳にこだわりたいですよね。

 

ということで、今回の結論は、

牛にもミルクにも罪はない!

ということでした(^^♪

 

《 牛乳は骨を弱くするってホント?! 》

牛乳が骨を弱くする説の根拠として、乳製品を多く摂取する北欧で骨粗しょう症が多いという例を出されます。
しかし、北欧は日照時間が極端に短いのでビタミンDを合成することができずに骨が弱くなる、というのが本当の所のようです。
乳製品が骨を弱くしている訳ではないのです。
骨を心配するなら、カルシウムを破壊する糖分を控えることの方がよほど重要ではないでしょうか。

牛乳にはMBP(ミルク・ベーシック・プロテイン)というタンパク質が含まれており、これがカルシウムを包み込む事で吸収しやすい形にしてくれています。
骨は鉄筋コンクリートと似ていて、タンパク質(鉄筋)とカルシウム(セメント)で成っています。
乳製品は、両方一緒に働いてくれることでやはり吸収が良いカルシウムだと言えます。

 

参考書籍:がんに効く食事がんを悪くする食事―福田一典著(彩図社)

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