がん細胞は正常細胞の6倍も糖を吸収します。

がん細胞を大きくしないように糖質を控えめにと頑張っている甘いもの好きの人からこんな質問があります。 

「ハチミツはどう思いますか?」とか「甘酒は糖のかたまりだと言われたんですがやはりダメですよね」とか。。。

結局、糖質は糖質なんですが、糖質の種類や血糖値の上げやすさを知っていると判断材料になるかもしれません。

 

糖質の分類

早速、糖質の種類を見てみましょう。

・。○ 糖質の種類 ○。・

単糖類 ブドウ糖、果糖(果物・はちみつ)など
ニ糖類 砂糖、麦芽糖、乳糖 など
多糖類 デンプン、オリゴ糖、デキストリン など
糖アルコール キシリトール、エリスリトール

 

記載した上から順吸収スピードが速く、血糖値を上げやすくなっています。

果糖(果物・はちみつ)は単糖類で表の一番上にきていますが、実はハチミツのGI値は75なのです。

果物も食物繊維を含むこともあり、ほとんどがGI値40以下で、ショ糖(砂糖)よりはるかに血糖値を上げにくいのです。

そもそも果糖は、代謝経路が違います

※GI値・・・グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。ブドウ糖の血糖上昇率を100として血糖値の上昇スピードを計ったもの

 

果糖-血糖値が上がらないならOK?!

お砂糖や炭水化物が体内に入ると、膵臓からインスリンが分泌されて血糖値が上昇します。

でも先述したとおり、果糖はこの代謝経路をたどりません。果糖は肝臓と筋肉ですぐに代謝されます。

果糖は血糖値は上げずに早くエネルギーになるので良い事ばかりに思えるのですが、実は、果物は体内のタンパク質と結びつきやすく、AGEs(最終糖化産物)になりやすいことが分かったのです。

果糖の糖化しやすさは砂糖の100倍以上と言われています。

糖化(細胞のこげ)は酸化(さび)より有害とも見られており、がん、糖尿病、動脈硬化、認知症、メタボ、老化…といった多くの病気の原因という研究も発表されています。

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ですから、美容と健康のために、朝から果物だけとか、フルーツたっぷりのジュースなんてとっても聞こえが良いですが、、、実はどうなのかな?という面があるのです。

 

もちろん、ビタミン、ミネラル、フィトケミカルの補給に果物も摂って頂きたいのですが、やはり食べ過ぎないこと、ジュースにするよりは全体を(繊維部分まで)よく噛んで食べる方が良いですね。

(がん患者さんは少しにとどめておいた方が良いと思います)

 

お米は糖質が多い?

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ご飯一膳(150g)には角砂糖約11個分の糖質が含まれる

といった表現をされるのを聞いた事があるかもしれません。

しかし、角砂糖は二糖類、ご飯は多糖類です。糖の種類が違うことを考えるとやはりそれはおかしな表現ではないかと思います。

砂糖の方がはるかに血糖値を上げやすいのですから、ご飯を減らしてケーキを食べるというのは、かなり大きな間違いなんですね。

そもそも、ご飯には糖質だけでなくアミノ酸やビタミンも含まれますから、栄養価からしても白砂糖とはエライ違いです!!!スイーツを食べるより軽くご飯を食べる方がどれだけ体に良いかわかりません。

 

日本人ですから、やはりご飯食べたいですよね。

血糖値を上げずにご飯を食べる工夫として、発芽玄米にするとか、雑穀米、マンナン(コンニャク)を混ぜる、などなさると良いです。

お米から作る甘酒も、栄養価があるので糖のカタマリなどと考える必要はないと思います。とは言っても、もちろん少量にとどめてくださいね。

 

ちなみに、

食パン1枚には角砂糖6個分(約30g)の糖質…なんて言われるので、「それならご飯よりパン食がいいのかな?」なんて考えも浮かんでしまいそうです。

でも、市販の食パンには大抵ショートニングやマーガリンといったトランス脂肪をたっぷり使います。保存料などの添加物たっぷりのものも。

また、小麦グルテンは腸を荒らしやすいという大きなマイナス面があります。

そういったことを考えると、やっぱりご飯に軍配です!

糖を控える事ばかり考えると、大きな落とし穴が見えなくなることもありますね。

 

最も避けたいのは清涼飲料水

ご存じの通り、清涼飲料水にはブドウ糖果糖液糖が使われています。「ペットボトル症候群」という名称を聞いた事があるかと思います。ブドウ糖果糖液糖は、速効で血糖値があがりますから、“喉が渇いたからちょっとジュース…”なんていつもやっていたら当然、低血糖症や、引いては糖尿病になってしまいます。

喉が乾いたらキレイな水を飲みましょう。

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「カロリーゼロ」と書いたダイエットジュースは良いと思って飲んでいる人がやはり少なからずいらっしゃいますが、これはさらにNGです。

トクホがついたコーラまで販売されています。(分子栄養学を学んでいる人は、トクホがついた商品なんて買わないと思いますが・・・・)

なぜ危険かというと、カロリーゼロ系商品には、合成甘味料をがっつり使っているからです。

 

合成甘味料も色々ありますが、脳腫瘍やうつなどの危険が指摘されていますし、糖尿病や肥満の原因になっているという研究報告もあります。やはり不自然なものは体に良くないようですね。

 

近年よく知られているように、糖質は麻薬以上の依存性がありますから、なんとか甘いものを口に入れたくなってしまいます。

(腸にカンジタ菌を飼っている人は特にそうなりやすいので、まずはカンジタ対策が必須です)

がん細胞は糖が好き。

どうあがいても糖質の摂りすぎに良い事はありません。

断糖すべきとは思っていませんが、ゆるい糖質制限はお勧めします。

少なくとも糖質に依存しない食生活を心掛けたいですね。

 

PS:あえて言えば、糖を制限したい方でも心配なく使えるものとしては、ラカンカがおすすめです。ラカンカは食物繊維なので血糖値を上げません。ただ、100%のラカンカは結構高額です; ラカントSという商品を使う方が多いですね。

 

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2017年6月10日

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