私達の体内では毎日数千個のがん細胞が生まれています。

 

でも、同じく体内には

がん細胞と闘ってくれる免疫細胞がありますので、

そう簡単にがんにはならない仕組みがあります。

 

免疫細胞が化学療法より

優れていると言える二つの点を動画でお話ししました。

 

(3分18秒)

 

動画環境の悪い方のために、文字にもしますね。

 

「免疫」って一言でよく言いますが、

実は免疫細胞には数種類あります。

 

血液の白血球中のリンパ球に、T細胞、B細胞、NK細胞

…とあるのですが

 

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、

がん細胞のような異物を発見すると、真っ先に攻撃をしてくれます。

 

まるで体内の特攻隊のようなものです。

 

化学療法より優れた二つの点は…

 

1、ガン細胞だけを見分けて攻撃する

NK細胞はどのような種類のがんが、

どこに発生してもがん細胞だけを選択的に攻撃します。

 

しかし、化学療法となると、そうはいきませんよね。

 

特に抗がん剤というのは
ガン細胞が”早く成長する細胞”という前提で

”早く成長する細胞を殺す薬”を使います。

 

だから、入れ替わりの早い細胞であれば、

正常細胞でも攻撃を受けます。

 

入れ替わりの早い細胞がダメージを受けることで

髪が抜けたり、

胃粘膜がやられるので、猛烈にもどしちゃったり

ピーピー下痢したり

恐ろしく口内炎ができて食事できないほどになったりする訳です。

 

(こんな辛い思いをしても、

実はがん幹細胞ーがん細胞のお母さんは成長速度が遅いため、

抗がん剤が効かないことが判明しています。)

 

この副作用の激しさを考えると、

NK細胞が、ガン細胞のような異物だけを

選択的に攻撃するというのは素晴らしい事です。

 

2、NK細胞はず~っと闘える

化学療法の場合、

がん細胞は薬を覚えてしまうので、「耐性」がついてしまいます。

 

そうすると、最初は劇的に効果が見られたとしても

次第に効かなくなってしまうのです。

 

そのためずっと同じ薬を使うことはできません。

 

でもNK細胞は

がん細胞を自然な死に至らせるので

がん細胞がNK細胞に対して

耐性を持つようになることはありません。

 

だからこそ、NK細胞はいつまででも、

ず~っと無敵で闘い続けられるのです。

 

でも、へなちょこ兵隊になってしまったり、

数が少なくなってしまったり、

そうするとがん細胞に負けてしまうんですね。

 

ですから、NK細胞が弱くならないように、

そして数を増やすようにしていけばいい訳です。

 

どうすればNK細胞に元気でいてもらえるか・・・

 

それはまた別の機会に!

 

 

 

PS:この記事は化学療法を否定するためのものではありません。

 

抗がん剤にも副作用の緩やかなもの、分子標的薬のような正常細胞へのダメージを抑えたものが増えてきています。

 

問題は効果的な使い方や、使う時期なのかもしれません。

それを誤ると、ダメージばかりが強くなっておられるように拝見しています。

 

正常細胞を元気にすること、NK細胞を強化することの大切さを認識していただきたいという思いで書いています。ご理解いただけると幸いです。

おすすめの記事
がんとの正しい付き合いかた
近頃、健康番組などで「ミトコンドリア」の話をよく耳にしませんか? 「がんの原因はミトコンドリアの機能障害にある」とも言われますが、「そもそも...