「私、お肉嫌いなんです。」
ご相談くださる方の中に、割と、肉嫌いの方がいらっしゃいます。
ベジタリアンの方はもちろんですが、玄米菜食を実践して来られた方もお肉はほとんど食べませんね。
また、がんの食事療法は、大抵肉を避けるように指導しているため、中には、長い事肉食を避けてきて、今は特に食べたいと思わないという方も…。
私も経験済みなのでわかりますが、肉や卵を避け続けると、本当に、動物性タンパク質を食べると”疲れる”ようになります。
なぜそうなってしまうのか、考えた事はありますか?
肉や卵が身体に悪いからだと私は信じていましたが・・そうではなかったようです。
動物性タンパク質で疲れる理由
実は消化酵素もタンパク質から作られます。タンパク質をしっかり取っていないと、消化酵素が十分作られません。
そこに消化力の必要な肉や卵が入って来ても、そりゃー参っちゃいます。
要は、消化できない状態である体の方に問題があるのです。
しかし、これまでお伝えしてきたように、がん患者さんはガン細胞に筋肉を奪われるので、しっかり補給する必要があり、そのためには吸収の良いタンパク質であるお肉、魚、卵をしっかり摂る必要があります。(消化できるならという前提条件つき)
これまで動物性タンパク質を避けてきた方は、消化力が落ちているので、急に沢山食べるのではなく、少しずつ食べる量を増やしてみて下さいね。
桶から水が漏れたら使えない
なぜ動物性のタンパク質も摂ることが理想なのか、下の絵を見てみて下さい。
人間の身体を作るのに必要なアミノ酸を「桶」で表しています。
前回、アミノ酸スコアについて少し触れましたが、
(前回 ⇒ http://healthy-happiness.jp/?p=1091 )
体タンパクを作るには20種類のアミノ酸を必要とします。
絵で見るとわかりやすいですが、どれか一つでも少ないと、そこから水が漏れてしまいますね。
そのラインまで水が減ってしまうので、使える水の量はそのラインまでとなります。
植物性たんぱく質だと、こういう感じになってしまいます。
メチオニンというアミノ酸など少ないものがある為、他のアミノ酸は沢山あったとしても、体タンパクは作られないという事態に…。
でも良い方法があります。
食べ合わせを工夫する
メチオニンが足りないなら、メチオニンを別の食品から取れば良い訳です。
メチオニンは動物性タンパク質から多くを取れるので、大豆製品と動物性タンパク質を合わせて食べることがお勧めです。
例えば、
- 冷奴 + かつお節
- 納豆 + 卵
といった感じです。
簡単ですよね。
これで、動物性タンパク質を沢山食べられない人でも幾らか不足をカバーできますょ。
植物性タンパク質には動物性を合わせて食べるように意識してみてくださいね。
また、お米にもメチオニンが多いので、味噌汁とご飯のコンビはバランスの良い食べ方な訳です。
補足ですが、菜食で困るのはビタミンB12が不足しがちになり貧血が進行することです。B12は断然動物性に多いですからね。
この不足しがちなB12は海苔に多いので、焼き海苔を毎日1〜2枚食べるようにすると良いですね。
海苔には必須アミノ酸が全て含まれますし、葉酸やビタミンC、食物繊維も豊富です。何と言っても美味しくて香りもいいですもんね♪
ただ、がん患者さんだけでなく、他に病気を患っている方、
ストレスの多い方、スポーツ選手、成長期の方、となると、タンパク質必要量が1.5~2倍になるので、食品からだけでは賄えないのが実情です。
そんな時にはサプリメントを活用すると良いでしょう。
栄養療法ではタンパク質をサプリメントで取る時は、「プロテイン」を摂ります。
このプロテイン、なかなか選ぶのが難しいのです;
日本にはなかなか良い製品が少ないので…。
それに、病気治療中の方や、胃腸の弱い方はある理由でプロテインを摂ることがマイナスになることもあり、別の方法をお勧めすることが多いです。
そういったことも踏まえ、プロテインに関しては別の時に書いてみますね♪