先回、「栄養療法」とは何かご紹介しました。

食事とサプリメントを利用して、がん患者さんに必要な栄養アプローチをすることで、非常に良い結果を見ているということですがその続きという形で、栄養療法は標準医療のみに頼るより、患者さんを長く元気に過ごさせることが分かる驚くべきデータをご紹介しましょう。

 

がんの標準医療とは病院で施される治療のことで、三大療法とも言われます。

  • 手術
  • 放射線
  • 化学療法(抗がん剤)

の三つですね。

 

補完療法

私が”栄養療法は標準医療より成績がいいよ!”と申し上げているのではないことを始めに断っておきます。

分子整合栄養医学を始めたポーリング博士・ホッファー博士はがん標準医療の補完療法として栄養(サプリメント)を用いていました。

 

栄養素だけでがんを治せると考えていたわけではないのです。

でも結果的にがん治療に伴う副作用(身体的、精神的苦痛)を軽減し、医師に宣告されていた余命期間を大幅に延長させました。

 
何と言っても、QOL(生活の質)を改善するということは、たとえ、生存期間を延ばせないとしても患者さんやご家族にとって何より重要なことになります。

ぶっちゃけ、ただ苦しむだけなら生きていることは苦痛です。

 

「食事ができるようになった」

「身体の調子が良くなった」

「痛みが少なくなった」

 

そんな風に感じることができれば、治療の恩恵を受けたと感じられます。

 

生存期間の延長…なんと20倍!

栄養(サプリメント)による治療を受けた患者群と、同じ程度のがんの進行度の一般(標準医療のみ)の患者群の、平均生存期間(月数)を見ると、その結果の違いは一目瞭然です。

 スゴすぎて、見間違いかと思うほど!

 

がんの種類  栄養療法併用  標準治療
乳がん 70 3.7
子宮がん 99 4.0
卵巣がん 16 3.6
肺がん 17 2.0
膵臓がん 40 2.4
全てのがん 45 2.6

ホッファー博士のレシピによる治療法の平均生存期間(月数)

*この表は「がんになったら肉を食べなさい―がんに勝つ栄養の科学」溝口徹著(PHPサイエンス・ワールド新書)を参考に作成しています。


全ての種類のがんにおいて
著しい生存期間の延長が見られます。

全てのタイプのがんをまとめて比較した生存期間平均は、栄養療法を行った患者さんは45ヶ月!

標準医療のみのグループの2.6ヶ月と比較すると約20倍の生存期間の延長に貢献していることがわかりますね。

 

ちょっと普通じゃない?

 

栄養療法を試みる人たちというのは、末期の患者さん、あるいは再発した方、また、標準医療において衰弱した方です。

それで、上記のような標準医療での延命が2.6ヶ月…という、ビックリなデータになっている訳です。

しかし、普通なら、余命数ヶ月と言われた患者さんたちが、栄養療法によって20倍も延命しているというのは、素晴らしいことですよね!

 

私自身はそういった例を沢山見て来たので、当然だと思ってしまいますが、栄養素が延命につながるなんて信じられないというのが普通の感覚なのかもしれません…。

 

でもサプリメントを使わなかった方でも、食事からの栄養を工夫したことで、医師の宣告をはるかに超えて元気に過ごす方だっていらっしゃいます。栄養って本当に大切ですね。

 

実際、大抵の医師の口から出る言葉といえば、

「サプリは臨床がないから信用しちゃだめですよ」

「気持ちの問題でしょう。」

「サプリメントはお金の無駄だよ」

と、いったところ。

 

どんなサプリメントもひとくくりに見られがちですが、実はエビデンスをしっかりとって、栄養療法としてのサプリメントの利用は既に存在しているのです。

 

サプリメントは薬事法上、食品なので「治る」という言葉は使えませんが、かなりインパクトのある結果も出ているんですね。

 

☆どんなサプリメントをどれくらいの量使うかが鍵になることはお忘れなく。

 


ここで紹介した例は
ビタミンCの点滴療法を併用する前のデータですから、現在は更にパワーアップしています!

 

「は?!ビタミンCを点滴?!」

…と、思いますよね。

 

びっくりする方もいらっしゃると思うので、この件はまた次回にでも。

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