友人のお父さんが胃がんでステージ4と診断されました。
ヘモグロビンも7以下、入院してから更に下がってるとか。しかし、手術する予定だそうです。
血液状態が良くないので、この状態で手術しても大丈夫なのだろうかとご家族は心配されています。
こんな時、体が回復できるかどうかの目安があると助かりますよね。今回はがん治療に耐えられる体力があるかどうかを判断する目安となる数値を書いてみます。
辛いがん治療に耐えられるか
血液検査の項目で、「アルブミン値」を見ていただきたいと思います。「ALB」と書いてあるかもしれません。
このアルブミン値が、4.5より下だと既に薬の副作用がかなりきついかもしれません。3.5を下回るなら、手術はしないほうが安全です。3を切ると術後の回復が厳しくなると言われています。
抗がん剤などのキツイ治療もしない方が無難です。なぜなら、アルブミンは運搬タンパク質ですから、アルブミン値が低いということは、薬を運ぶ力も傷を回復させる力も弱っている状態だからです。
この状態だと、体が治療に耐えられず、治療が原因で命を落とす危険が伴います。
手術した結果、帰らぬ人になるなんて本当に残念な話ですが、私も少なからず聞く事があります。特に高齢の方の手術で多いようです。
特にがん治療に関しては、体へのダメージが大きい治療法が多いので血液状態を見て治療ができないと言われるとしても、無理な治療をして寿命を縮めるようなことをしないようにしてくれているという意味でむしろ良心的な病院だと考えた方が良いと思います。
病気を治すための治療のはずですが、体の状態を確認せずに無理に進めるのは非常に危険なのです。
その危険ラインが「アルブミン値」で判断できるという訳です。一つの目安として書き留めておかれると良いと思います。
アルブミン値を上げる方法
では、このアルブミン値を上げることはできないのでしょうか。もちろんできます。(なんて言い切ってますけど、簡単ではないです;)
急ぐときには、アルブミン点滴をしてもらうという方法が取られますが、これも諸刃の剣という意見もあり悩むところです。
まずは栄養状態の改善が望ましいでしょう。アルブミンはタンパク質の一つですから、質の良いたんぱく質の摂取が求められます。
また、肝臓でアルブミンを合成する上では「メチオニン」というアミノ酸が必須になります。このメチオニンというアミノ酸は肉やチーズなどの動物性たんぱくに多く含まれており、大豆などの植物性たんぱくにも含まれるとはいえ、含有量が少ないのが特徴です。
この点を考えると、動物性たんぱくを極端に控える食事療法には問題点があるということになります。
ただ、動物性タンパク質は植物性と違って消化力が求められます。消化力の落ちた方に無理に動物性たんぱく質をどんどん与えても逆効果です。
少しずつ増やしていくとか、消化酵素を併用するとか、大根おろしや梅干し、レモン水などで消化をカバーするのは必須です。
また、メチオニン過剰の人もいて、そういう方は植物性のタンパク質を中心に召し上がる方が調子が良くなります。
自分のタイプを知ることが必要になりますね。
アルブミンを合成するために必要なビタミン
肝臓でアルブミンを合成する時になくてはならない栄養素はビタミンB群です。特にB6です。
こんな論文もありました。
難しくてよく意味がわかりませんがw、絶食するとアルブミンが作れないし、B6を足してあげた方がアルブミン合成がうまくいくよということでしょうか。
ビタミンB群は、辛い治療やストレスによって消費さてしまいます。
そして、B群は特に動物性たんぱく質に多く含まれ吸収も良いので、これまたベジタリアンの方は不足しがちです。
(ビタミンB群が不足すると、疲れやすく、眠りの質が悪く、鬱っぽくなります。)
健康のために良かれと思ってお肉や卵を控えてきたという方も多いのですが、アルブミン値を上げるために、動物性たんぱくもしっかり取るように心がけてください。
また、B群は腸内でも作られますので、腸内環境が良くない方もB不足になり、その結果アルブミン合成も滞ります。やはり腸内環境の見直しは必須ですね。
サプリメントで改善を目指す際には、プロテインとビタミンB群、あるいはBCAAなどアミノ酸を用います。
治療によって取り返しのつかないダメージを与えることのないように、がん患者さんの体が治療に耐えられる状態かどうか確認するのは重要ですね。
*自分のタイプを知って栄養対策したい方は
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