先回、がんと闘う免疫を上げるため、腸内環境を整える方法をお伝えしました。
腸内環境を語る際、腸内細菌だけに目が行きがちかもしれません。
でも栄養を吸収する腸粘膜の状態も重要な要素です。
【腸粘膜の構造】の図
「第二の脳」は「神の手」
腸は「第二の脳」なんて言われますよね。
それは、腸に神経細胞があって、脳からの指令なしに、吸収するべきものを選択し、のどこにその栄養をお届けするか決めてくれているからなんです。
だからこそ、あなたの気分の影響も受けやすい訳です。
ストレスで下痢するのもそのため。
私達は口に美味しければ体に悪くてもつい食べちゃいますけど、腸は理性で選択します。
腸のその趣旨選択っぷりは”神業”
「God Hand」(神の手)
と言われるほど!
ありがた~い神の手は大事に扱わねば。。。
ということで、
- 消化力を改善する方法(腸をカバーするため)
- 腸粘膜に必要な栄養
この二点を考えたいと思います。
ガン細胞とは栄養の取り合いになるということを考えると、消化吸収力の改善は最重要事項とも言えますね。
まずは消化酵素
食べたものが未消化の状態で腸にやってくると、腸にとっては負担になります。
腸で腐敗して悪玉菌が増殖したり、リーキガット症候群(腸に穴が空いているような状態)になって全身に影響を与えることも。
消化を助けるために、次のようなことができます。
よく噛む
初期消化として、まずは消化酵素が出るように良く噛むことが大切です。
30回噛む!
というのを意識してみてください。
しかも楽しい食卓でないといけません。
緊張状態で急いで食事をすると交感神経優位になって消化酵素も十分出ません。
ガミガミ怒りながらとか、イライラしながらのお食事は、せっかくバランスを考えて食べていても吸収できずに勿体無い事に・・・
楽しい食卓を心がけたいですね♪
タンパク質を摂る
胃酸も消化酵素もタンパク質から作られます。
ですから、動物性タンパクを避けたりすると、消化酵素も減ってしまい消化力が落ちてしまいます。
食べて消化出来る体である事、それが大切。
動物性も植物性も関係なくタンパク質をとるように心がけましょう。
食物酵素を摂る
しかし、どうしても年齢と共に消化酵素は減るものです。
(ですから、安易に消化酵素を抑える胃薬を飲まない方が良いのです。)
少ない消化酵素をカバーする手軽な方法は…。
食物酵素の助けを借りるということです。
そのためには、生野菜を食事の最初に召し上がってください。
血糖値が急に上がらない食べ方なので、がん対策にもなり一石二鳥です。
消化力の弱い人は(胃酸が少ない)、食事の最初に酢の物を食べるとか、レモン水を飲むのも良いですよ。
*ローフードのような”生野菜だけ”の食事を勧めているわけではありません。
生野菜だけですと、体が冷えてしまいます。
消化酵素サプリを摂る
自分の胃酸の状態はペプシノーゲン検査で見ることができます。
胃酸過多だと勘違いしている方がとても多いので、本当は一度検査して欲しいところです。
ペプシノーゲンⅠが70くらいあるのが理想ですが、
そんな人はほとんどいません。
日本人は遺伝的なものなのか胃酸が少ないようです。
50以下など、胃酸が少ない場合は消化酵素をお薬や海外サプリで摂ることでかなりカバーできます。
青パパイヤ酵素を消化剤として使うのもアリです。
(サプリメントにもなっています。ご相談ください。)
ちなみに、消化酵素は日本では医薬品なので、サプリメントにできません。
医師に処方してもらえるなら、タフマックやエクセラーゼ(ジェネリック)といった消化剤をお願いしてみてください。
油物がもたれるような人は胆汁が不足していますから、ウルソを使います。
胆汁が出ていないということは、脂溶性ビタミンも吸収できないということですから、色々とダメージが大きいのです。
処方していただくのが難しければ、iherbなどで、購入してみてください。
例えば、、
・Thorne Research, B.P.P.(ベタイン/ペプシン/パンクレアチン)消化酵素
180粒 食前2カプセル
お手頃なのが良ければ、これとか。
毎食前1粒
・・こんな感じですね 😛
腸粘膜を強化する栄養素
栄養を吸収する小腸ってとっても広いんです。
どれくらいの広さだと思いますか?畳一枚分くらい?
いやいや…
ギャザーのように折りたたまれているのを広げると、なんと、錦織くんが走り回るテニスコート1面分程あるのです。
そりゃ~材料もしっかり必要ですね。
腸粘膜は入れ替わりが早いので(1~3日間)適切なものを適切な量とれば、サプリメントの効果も感じやすいと思います。
吸収できる強い腸を作る材料はまずはアミノ酸です。(やはりタンパク質が必要)
中でも小腸粘膜のエネルギー源はグルタミン。
次に粘膜生成に重要なのはビタミンA。
ビタミンAは油性ビタミンなので良質なものでないと、むしろ危険です。
また、胆汁が少ないと吸収できません。
吸収しやすいタイプ(ミセル化)したものはなかなか手に入らないのでご相談ください。
また、ビタミンC、ヘム鉄、亜鉛も必要です。
ヘム鉄に関しては、使い方に注意が必要なので、これもサプリで摂るなら必ず相談していただきたいですね。
まずは食事に赤みの肉を加えるようにしていただくことが先決です。
グルタミンはがん治療中には気を付けたいアミノ酸なので、
使いたいタイミングを、もう少し紹介しますね。
がん治療中のグルタミン使用は要注意!
まず、グルタミンというアミノ酸は腸粘膜の重要な栄養素ですから、
下痢をしやすいという人に特に使えます。
グルタミンはストレス時に消耗しやすいので、
緊張やストレスで下痢してしまうという方には使ってみて欲しいです。
・L-グルタミン
1日1さじ水に混ぜて飲む
Thorne Research, L-Glutamine Powder, 18.1 oz (513 g)
逆に、便秘の人は使わないでください。
腎臓の弱っている人や自閉症の患者さんにも禁忌です。
実は、これまでがん治療中でも粘膜回復や食欲増進、リンパ球の回復にグルタミンサプリの使用をお勧めしていました。
しかし、グルタミンは糖質と同様がん細胞のエサになっているようだということがわかってきたのです。
グルタミンはガン増殖のために窒素供給とアンモニア環境をつくるために利用されるようです。
通常の食事(肉、魚、卵、大豆)程度でしたら問題ないでしょうが、サプリメントでの大量摂取はがんの増殖につながる可能性大ですので、どうぞお気をつけください。
腸能力でがんを克服!
腸管免疫を整え、栄養を効率的に吸収してがんと闘う力を取り戻す方法は、ご理解いただけたでしょうか。
どんな高価なサプリメントや漢方薬も腸が整わないと吸収できないのです。
まずは腸内環境を整えていきましょうね!
PS: 今日書いたことはとても重要な内容なので、ぜひ実践してみていただきたいのですが、
サプリメントを使わないと追いつかない事が多い部分でもあります。
ただ、自己流ではうまくいかないことも。
ぜひ専門家に相談しながら取り組んでください。