「がん患者は、がんで死に至るのではない、栄養欠損で亡くなるのだ」
これは、分子栄養医学の創始者であるライナスポーリング博士の言葉です。
がんになると粗食を推奨されがちです。
しかしガン細胞はエネルギーをたくさん消費します。がんと闘うためにもエネルギーが必要です。
ですから、栄養が足りない状態でも容赦無くエネルギーを消耗してしまい、栄養障害が進んでしまいます。
それで、栄養を補給し、飢餓状態が解消されるとグッと元気になることがあります。
がん細胞は体のタンパク質を分解して自分の栄養にするので、患者さんは痩せていくのですが、これをがん悪液質(カヘキシア)と言います。
タンパクを取られるならどんどん入れていかなくちゃ!
と単純に思いがちなのですが、実は栄養を入れてはいけない段階があることがわかってきました。
カヘキシアにも段階がある、ということを、医師の東口髙志先生が自著「がんでは死なないがん患者」という本の中で書いています。
結論から言うと、がんの終末期に起こる栄養障害には、栄養を補給すれば回復する「飢餓」と、栄養を補給しても回復しない「悪液質」があるということなのです。
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悪液質の3つの段階
欧米では、近年がん悪液質を三段階に分ける捉え方が提唱されています。
- 1、前悪液質(プレカヘキシア)
- 2、悪液質(カヘキシア)
- 3、不可逆的悪液質(リフレクトリー・カヘキシア)
日本でいう悪液質は”栄養補給しても状態が改善しない栄養障害”と考えられているので、この三段階のうち最終段階の不可逆的悪液質に相当するものです。
1、前悪液質(プレカヘキシア)
この段階なら、栄養を摂取することでたんぱく合成ができるようになり元気も回復します。
ただ、がん性の炎症によって消耗が激しいので、栄養を投与し続けないと悪い方向に向かいます。
アルブミン値が低くなっている方は、アミノ酸の点滴などをお願いすることもできます。(恐らく自費になるはずです)
2、悪液質(カヘキシア)
まだ適切な栄養補給で回復できる状態です。
とはいえ、前悪液質に比べればやはり病状が進行しているため食欲や体力がなくなり、体重も減少してしまいます。
肝臓、腎臓機能が落ちるため、老廃物が処理できないことでだるさを感じやすくなります。
肝臓、腎臓機能の低下によりアンモニアに似た物質(アミン)が脳に入ると、食欲不振や吐き気が起こったり、意識障害が起こったりします。
3、不可逆的悪液質(リフレクトリー・カヘキシア)
細胞レベルでエネルギーが作れなくなった状態です。
細胞が栄養や水分を受け入れられなくなっているので、栄養を投与するとむしろ負担になってしまいます。
栄養も水分も使うことができず、そのまま腹水や胸水、全身のむくみとなってしまいます。
栄養を入れると過剰な負荷をかけることになりかえって患者さんは苦しむことになります。
この状態の時には栄養や水分の量を一般の3〜2分の1に減らす方が良いようです。
これは慎重な判断を要します。東口先生たちは、医師と専門スタッフ3人以上が「栄養補給しても状態改善しない」と判断した場合にギアチェンジして、生命維持に必要なごく少量の栄養と水分に減らすとのこと。
そうすると患者さんは楽になって、もう一度食事できるようになったり自宅に帰れたりして、安らかな最期を迎えることができるそうです。
栄養欠損を阻止しよう
何しろ、悪液質に至ってからは、QOLの向上を第一に考えなくてはいけませんが、それまでは栄養欠損に陥らないようにすることが重要ということになります。
筋肉からたんぱくが奪われると、立つこと、座ることができなくなり、自力での生活が難しくなります。
自分で食事したりトイレに行ったりできるように、とにかく悪液質を遅らせることが重要です。
しっかりとした栄養対策を行うには、分子栄養学(栄養療法)を取り入れているクリニックを受診して様々な検査を通してまずは今の自分の状態を認識することをお勧めします。
*福岡なら天神ホリスティックビューティークリニックへ!私も専属カウンセラーとして勤務していますので予約してお越しください。
*検査はできませんが個人的にご相談に応じています。
*飢餓状態が進み、食事する力もないような時には、総合的な栄養の取れるドリンクタイプのサプリメントがあるのでご相談ください。元気が出ればまたお食事が進むようになります。