近年、増加しているのが「前立腺がん」です。(男性の膀胱下部に尿道を囲むようにしてあるのが前立腺)
お笑いの間寛平さんが地球一周マラソン中に治療していましたね。寛平さんも前立腺ガンでした。
前立腺がんに関しては、ちょっと気になることがあります。
前立腺がん増加の理由…
前立腺がんは、急増加傾向にあり、胃がん、肺がん、大腸がんに次いで4番目に多いがんと言われています。大腸がんをもう少しで追い越しそうな勢いです。
急増の理由の一つは、食事の欧米化と言われますが、肉食が悪いというよりは、質の悪い油の多用が原因だと言えるでしょう。
[ 参考 : 「がんが怖いなら油を変えよう」http://healthy-happiness.jp/?p=316]
あとは、肥満、加齢、遺伝的要因が挙げられます。
そして、意外な事に、もう一つの理由は見つかりやすくなったということなのです。
今までは、前立腺がんは見つけにくかったので高齢の方の病気というイメージでしたが、PSA検査の導入によって”見つけやすいがん”になりました。結果的に前立腺がんと診断される人が異常なまでに増加し、PSA値にビクビクする人も増えました。
「自分はがんなんだ」・・とビクビクして生活しなくていはいけないというのはかなりのストレスです。
実際のところ、見つかってもあと20年は安泰ですよと言われることもあるくらい、進行の遅いものも多いのが前立腺癌です。
ぶっちゃけて言ってしまえば、見つからなければ死ぬまで安泰だったのに…というケースもあると指摘する医師もいるほどです。
とはいえ、腫瘍マーカーが高いって言われた〜!!となると誰しもビビりますよね。検査の度にドキドキしているおじさま方が気の毒でならないので、PSA値だけで慌てなくて良い理由を書いてみます。
PSA値で慌てなくて良い理由
1) PSA値はガンマーカーではない
PSAはガンの出す物質を計っている訳ではありません。本来血液中に出てきてはいけない物質が検出されることから何かのトラブルがあるかもしれないと予測しているのです。
ですから、言ってみれば「前立腺がん」ではなくても、外傷や前立腺肥大でも上昇します。PSA値が高い ⇒ 前立腺ガン という訳ではないのです。
数回検査を受けて数値が上昇傾向であれば、確かにガンを疑って精密検査を受けたほうがいいかもしれません。
2) PSA高値で前立腺がんとは断定できない
PSA(前立腺特異抗原)はその名の通り、前立腺から分泌される物質ですが、本来、精子の運動性を高める役割を果たすものです。
ですから、自然の事として年齢によってその数値は変化していきます。
基準値は4ng/mlですが、仮に4を上回っていても本当にガンである人はそのうちの20~30%です。10以上になると、50%以上の確立です。
PSA値が10以上であったとしても、半分の人しか前立腺がんではない訳です。PSA値4以上だったからといって、一概にガンとは言えないので様子を見たほうが良い。という点をご理解いただけたでしょうか。
もしも、細胞診もしないうちから、PSA基準値より少し高めというだけの理由で”予防のため”とホルモン療法を続けるような病院でしたら、セカンドオピニオンも検討したほうが良いと思います。
ホルモン療法の副作用も考えるべきです。
(実はそういうケースがありました。関西で。
元々とても元気だったのにホルモン注射を定期的にされるようになり、副作用で様々な不定愁訴が出て仕事もままならず困っておられました。
しかも他のもっと深刻な症状を見落とされていて救急車を呼ぶ羽目に。その機会に病院を変えた事で随分改善されました。事業をされていたので、奥様も倒れそうにお疲れになってとても気の毒でした。)
不必要な医療処置は、別の病気を作ることを軽く見てはいけません。
検査に関しても正しい知識を持って慌てずに対応したいものですね。
そして、何と言っても予防が一番です。頑張りすぎも楽しすぎも体にとって良くありません。(寛平さんは走り過ぎてた)また、当然ですが質の悪い油・タバコ・お酒・ストレス・・・PSA値を気にする前にこういった発がん要因を気にしたいですね。
必要な時は相談してくださいね。