前回、腸内環境とがんの関係について書きました。
免疫力の70%は腸内細菌に依存するため、がんと闘う兵隊を鍛えるにはまずは腸内環境を見直すべし!
ということでしたね。
今回は、腸内環境を整えるのに必要なことを書いてみますね。
細菌のお花畑やぁ…
腸内には、回腸から大腸にかけて約100兆個もの腸内細菌が生息 していると言われます。
なんと菌の種類は約1,000種もあるとか。これらの細菌はお花畑のように腸壁を覆っているため、腸内フローラ(flora=植物相)・腸内細菌叢と呼ばれています。
そのお花畑では細菌同士の陣取り合戦が行なわれています。
大きく分けると3チーム。
腸内細菌叢
日和見菌チーム:体調によって善玉にも悪玉にもなる
悪玉菌チーム:腐敗、発がん物質・有毒物質を作る、便秘・下痢の原因
この3チームの理想的な比率は
2:7:1
断然数の多い日和見菌チームのみなさんが、善玉・悪玉どちらにつくかで勝負が決まります。
まるで、選挙の時の無党派層みたいですね。
《 善玉菌を増やす3つの方法 》
- 体に有益な微生物を摂る事
- 腸内細菌のエサになる材料を入れる
- 日和見菌を味方につける裏工作をしかける
では、一つずつ説明しますね。
体に有益な微生物を摂る事
腸で発芽するラクリス菌などの有胞子性乳酸菌、ビフィズス菌、フェカリス菌、アシドフィルス菌のような善玉菌を摂りましょう。
乳酸菌が多いのはヨーグルトだけではありません。(というか、ヨーグルトはあまりお勧めではない)
”良い菌”は醗酵食品に沢山います。
味噌・醤油・漬物類・キムチ・チーズ・甘酒・麹(こうじ)…
こういった、発酵食品を積極的に摂取してください。
漬物は簡単に手作りしたもので良いのです。
(市販の漬物は意外と添加物がてんこ盛りなので)
塩もみしたものや酢漬けを常備菜として使っていただきたい。
ただ、悪玉菌が優勢のかなりまずい腸内環境になっている場合は、発酵食品も悪玉菌のエサになりえます。
気になる方は、腸内フローラのバランスを便検査でみてもらって、必要なら発酵食品も一時的に控えてください。
注意点として、甘いものは悪玉菌を増やしますので、砂糖の多いものは避けていただきたいと思います。
お腹に良いと思ってヨーグルトにフルーツやジャムをたっぷり入れて毎朝召し上がっているという方もおられますが、それはお勧めしません。
ヨーグルトのカゼインは腸粘膜を荒らしがちですし、糖分が多いと悪玉菌が増えてしまいます。
ヨーグルトが合っていると感じる方は、砂糖は抜きで。
どうしても甘くしたいならオリゴ糖、メープルシロップ、ハチミツ、ココナッツシュガーなど(いずれも混ぜ物がないか要チェック)ミネラルの豊富なもの、GI値の低いものを”少し”使うようにしましょう。
腸内細菌のエサになる材料を入れる
腸内細菌のエサとは、食物繊維やオリゴ糖です。
とった菌を成長させるために葉物野菜、ゴボウのような根菜類、キノコ類、海藻・豆類、果物…といった食物繊維の多い食品を毎日食べましょう。
目安としては、毎食、両手の平に乗るくらい。タップリ食べましょう。
そんな時は、食物繊維が非常に多い寒天を使うのがお勧め!
糸寒天を買っておいて、スープにパラリ。
美味しく簡単に食物繊維がとれますょ^^
これで便秘が改善したという声もよくいただいています。
日和見菌を味方につける裏工作をしかける
そして、無党派層のような日和見菌を見方につけるために裏工作を…
例えば以下のことに注意しましょう。
腸内フローラが乱れる原因
・よく噛んでいない
・胃酸の減少
・酵素の減少
・胆汁の減少
・細菌、ウイルス、寄生虫の侵入
・栄養不足
・野菜不足
・アルコール
・老化(活性酸素)
・ストレス
・薬物、抗生物質
つまり、ざっくりまとめると、
良い菌(醗酵食品)と、
食物繊維をしっかり摂って、
日和見チームの喜ぶことをする。
ということですね!
乳がんとの関係
【乳房の健康を考えよう―Dr.ちずこの診療日記より】
http://ameblo.jp/imsyamatomam/entry-11915887642.html
フランスの国立疫学研究チームの研究で、
腸内細菌とエストロゲン濃度の上昇が深い関係にあることを伝えています。
つまり、悪い腸内環境や野菜不足が乳癌を招く可能性が高いということです。
乳酸菌サプリ
乳酸菌のサプリメントは数多くありますが、人によって合う乳酸菌サプリが違います。
フェカリス菌がいいとか、ラクトフェリンがいいとか、ラブレ菌がいいとか、色々ありますが、、、
自分にはどれが合うのか探す必要がありますね。
(高額なものである必要はありません)
一種類だけ使うのはよろしくありませんので、何種類もミックスされたものをお使いになるとか、多種類をローテーションするなど工夫してください。
今回は腸内細菌について書きましたが、栄養を吸収するには腸管を強化する必要があります。
長くなるので、腸管に関してはまた次回!